横須賀・三浦 人物風土記
公開日:2026.08.21
「三浦漂流美術館aSOUBOU」のメンバーで漂着ゴミや廃材を活用したアートを手掛ける 光井 妙江さん 三浦市三崎町諸磯在住 55歳
心身満たす二拠点生活
○…グループ名に冠された「漂流」という言葉には、ふたつの意味が込められている。ひとつはライフワークとしている海岸清掃の中で拾い集めた「漂着物」そのもの。もうひとつは決まった展示場を持たず、様々な場所を巡りながら作品を届ける「移動型美術館」としての姿。特定の拠点に縛られず、流れるようにアートを咲かせる試みは、自由かつしなやかな熱量を帯びている。
○…三浦の地に惹かれたきっかけは、風光明媚な自然と豊かな食だった。癒やしを求めてふと訪れたその魅力に深く引き込まれ、やがて東京と三浦を行き来する「二拠点生活」をスタートさせる。現在は諸磯の浜辺へと足を伸ばしやすいエリアに住まいを持ち、三浦の持つ素朴で温かな風土に寄り添う暮らしを続けている。
○…作品づくりの主役となるのは、波に揉まれて傷ついたシーグラスや漂着した漁具たち。「かつて人々の生活を支え、一度は『ゴミ』として捨てられた素材に対し、新たな生命と役割を吹き込む」のがアート活動の根幹という。いびつなガラス片を丁寧に繋ぎ合わせ、ランプとして光を灯すことで、素材が本来秘めていた美しい価値を再び引き出していく。その静かな光は、目にする人の心を柔らかくほぐしていく。
○…平日は都内でフルタイムの仕事に従事し、週末は三浦へと向かう。東京での多忙な日常で消費された感覚は、三浦の爽やかな風や旬の味覚、地域の人々との交流によって充電される。「自分自身を健やかに保つこの二拠点生活こそが、最高で心地よいバランス」。同じ感性を持つ人たちとつながりを持ちながら、創作活動はより深みを増していく。「表現を支えるライフスタイルを三浦で見つけた」
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