横須賀・三浦 人物風土記
公開日:2026.08.07
横須賀市教育委員会の教育長に就いた 生田 研一さん 横須賀市在勤 44歳
「誰も一人にさせない学校」へ
○…学力低下や不登校、部活動のあり方、少子化に伴う再編、教員の働き方改革など公立学校に難題が押し寄せる。改革待ったなしの教育行政の中で、推進役として白羽の矢が立った。民間経験者の起用は異例。44歳という若さも目を引く。旧来の学校教育の枠組みにとらわれない発想と先進的なアプローチで公教育を再構築する。
○…官・民・学を渡り歩いてきた異色のキャリアの持ち主。文科省に入省し、教育行政や文化行政に従事し、厚労省への出向や海外留学によるMBA取得など幅広く知見を広めた。その後は、テクノロジーと教育の融合を志し、AIスタートアップへ転職。保育領域でのAI活用や認知科学と脳科学を教育現場に取り入れる事業開発に取り組み、そこで培った制度設計力とデータ活用ノウハウが教育改革を進める市の方向性と合致した。
○…「支援教育の充実こそが学校経営の土台」という教育観の根底には、個人的な事情がある。5歳の次男は重度の知的障害と自閉症を抱え、妻と分担してケアにあたる。個別支援の重要性を実感しており、一人ひとりの特性や個性に応じた「個別最適なアプローチは、障害の有無にかかわらずすべての子どもたちに必要な視点」と力を込める。一斉授業の形式的な枠組みを柔軟化していく姿勢も示した。
○…打ち出す構想は、テクノロジーを活用した個別最適な学びと、支援教育や不登校対策を通じた「誰も一人にさせない学校」づくり。学力向上の課題にもデータを用いて向き合う。「自然豊かで市民の約6割が市内圏で働くなど地域コミュニティのつながりが濃い」という地域特性を生かし、学校を「学びと幸せの拠点」へと大胆に刷新していく。その挑戦は前例にとらわれない。
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