三浦市はこのほど、「第2次子ども読書活動推進計画」を策定した。計画期間は2016年度から20年度までの5年。減少傾向にある読書時間や図書館の利用頻度を増大させるため、地域・学校・家庭の連携で環境整備を図る考え。
子どもたちの読書離れや活字離れが叫ばれて久しい昨今。三浦市では、「知識を得るだけでなく、言葉や表現力、理解力の向上、探究心の醸成には読書が欠くことのできないもの」として、国の「子どもの読書活動の推進に関する法律」の公布に基づき2009年に第1次計画を策定。期間満了に伴って、今年度から5年間を期間とする第2次計画がつくられた。新しい計画では地域社会全体で子どもを育てるという観点から、家庭・地域・学校それぞれにおいて、子どもの自主読書を促進し習慣づけるための環境づくりや、そのために必要な整備内容・具体策、めざす数値目標などを明示している。
まず家庭においては、乳幼児に対する読み聞かせの普及啓発を継続して実施する。「乳幼児期は言葉を覚え始めるなど本に出会う重要な時期」として、親子を対象にした読み聞かせ講座を引き続き開催するほか、健診時に配布する資料内におすすめの本を紹介するブックリストを掲載(試験的実施)。読書を通した親子のコミュニケーションも促進していくねらい。
市内3カ所にある市立図書館では子ども向け図書の購入と併せ、1人あたりの貸出冊数が小学生に比べて少ない13歳〜19歳に向けた図書コーナーづくりに今年度から力を入れる。学校図書館利用率から見ても、小学生が52・0%であるのに対し、27・4%と低迷する中学生の拡大を図っていく。
子どもたちに一番身近な学校の図書館での取り組みは、主に保護者らで組織する学校図書館ボランティアが寄与するところが多い。図書の整理、読み聞かせ、朝読書活動や市内在住の絵本作家を招いた朗読ライブを企画などさまざまな活動に取り組む。市は、ボランティア向けの講習会や学校間の相互連携を計画に盛り込み、後方支援を行う。
しかし、ボランティアが介入できない部分も多く、教諭の専任化や学校司書の配置を求める声も多い。12学級以上の学校には司書教諭の配置が義務づけられているが、学級・教科担任との兼務によって十分な時間を読書指導に割けないのが現状で、三浦市議会でも度々質疑にあがっている。
市教委でも配置について検討を重ねるが、当面はボランティアに協力を仰ぎながら役割を果たしていきたいとしている。
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