戻る

逗子・葉山 トップニュース社会

公開日:2026.06.19

故・川上さん 崖崩れ防止に願い込め 遺産1.8億円を逗子市に寄付

  • ブルーシートで覆われた新宿4丁目の崖地

    ブルーシートで覆われた新宿4丁目の崖地

  • 感謝状を受け取る小保内さん

    感謝状を受け取る小保内さん

 「逗子市内の急傾斜地の崩壊防止、土砂災害防災工事のほか、安心して市民が住むことが出来る街づくりのため使用すること」と遺書に記し、2025年11月1日に亡くなった川上米子さん(享年89/逗子市久木)の遺産1億7903万4233円が逗子市に遺贈された。今年6月4日、逗子市は遺言執行者の司法書士、小保内(おぼない)洋子さんに感謝状を贈呈した。

 川上さんは、都内の私立大学理事を務めていた夫と会社員の娘との3人暮らしだった。料理好きで、糖尿病だった夫のために毎日弁当を作り、主治医から「お墨付き」がもらえるほどの腕前だったという。

 専業主婦として2人の暮らしを支えてきたが、2020年に60代だった娘を病気で亡くした。当時、夫が入院中だったため葬儀は川上さんが一人でしきった。

 小保内さんは知人から「娘さんを亡くした川上さんの力になってほしい」と頼まれ、娘の相続や夫の入院費の支払いなどの相談に乗るようになった。21年には夫も亡くなり、その相続手続きをすすめる中で「(川上さんが亡くなった後)最後はどうする」という話になった。遺す先をなかなか決められない人が多い中、川上さんは「池子の高校生が亡くなった崩落事故があるでしょ。もうあんな悲しい事故は起きてほしくないから、崖崩れの防止のために使ってほしい」と言ったという。小保内さんは「母親として子どもが先に亡くなることの苦しみが分かったのだと思う」と当時のことを振り返る。

 市は昨年11月10日に遺贈の意思の通知を受け、今年5月19日に寄付を受領した。桐ケ谷覚市長は「逗子は市の面積の半分が山で崖崩れが起きうる地形だ。市民の安全安心をどう担保するかが我々の責任。そうした意味でも(川上さんの)ご遺志で崖地対策に使わせていただけるのは心強い」と感謝を述べた。

 小保内さんは「川上さんの遺志を実現してくれてうれしい。今後、行政が故人の意向を実現するモデルケースになれば」と期待を寄せた。

 市は今回寄付された1・8億円のうち約1億3千万円を、2020年に2度崖崩れを起こした新宿4丁目の崖地の土砂災害防止対策に、5千万円を避難所備蓄品の整備などに活用する。新宿4丁目の土地所有者から約2000平方メートルの土地の寄付を受け、29年度の工事完了を目指すという。

逗子・葉山 人気記事ランキング

  • 前日
  • 1週間
  • 1か月

もっと見る

逗子・葉山 人気記事ランキング

  • 前日
  • 1週間
  • 1か月

もっと見る

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

逗子・葉山 トップニュースの新着記事

逗子・葉山 トップニュースの記事を検索

コラム

コラム一覧

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS