逗子・葉山 人物風土記
公開日:2026.06.05
湘南漁業協同組合小坪支所の運営委員長を務める 一栁 隆三さん 逗子市小坪在住 72歳
力の限り海と生きる
○…小坪漁業協同組合が今年1月に湘南漁業協同組合小坪支所となったことを機に、前組合長からバトンを引き継ぎ、2月に支所の運営委員長となった。「36人いる組合員の意見を吸い上げてスムーズな支所運営を心掛けたい」と抱負を語る。
○…小坪で代々漁師の家に生まれた。「子どもの頃は漁の手伝いで、夏休みに友達と遊べないのが嫌だった」と振り返る。両親からは「後を継げ」と言われることもなく、飲料のドライバーや配送業などを経験。「エレキの神様」と呼ばれたギタリスト・寺内タケシさん(故人)の事務所でマネージャー業についたこともあった。諸事情で辞めた後、実家の漁の手伝いをするなかで「稼げる」漁師になる決意をした。26歳の時だった。「当時は今の3倍は稼げた。もともと船は嫌いじゃなかったしね」
○…海がしけない限りは漁に出る。「アオリイカの時は朝3時、普通の刺し網の時は朝5時くらいかな」。獲れる魚はヒラメ、イシダイ、カワハギ、メバル、カサゴなど。定置網の時の「何が入ってるかなというドキドキ感」が漁師の魅力という。めったにないがヒラマサや、カマスが1トン獲れたときもあった。「ウルメイワシが獲れたときに刺身で食べるのが最高。これは漁師の特権」と笑顔を見せる。
○…組合として船上市場、ワカメ収穫祭、ワカメ干し体験、漁船タクシー、GW期間の磯遊びなどの事業も引き続き行っていく。魚が昔に比べ獲れなくなっている現状を考えると無責任に漁師になることを勧められないが、組織の存続を考えると若い世代にも入ってほしい。そのために漁師の魅力を伝え、受け入れ体制を整えることが課せられた責務だ。体が動く間は漁師を続けていくつもりだ。
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