研磨技術に誇りをもって 2 有限会社日興研磨工業所
藤沢市で金属研磨を続けて約50年。「内面研磨のプロ集団」として業界に名を馳せる。
内面研磨は、管などの中を磨く技術。医療・バイオ・食品業界などでは、管の中の残留は雑菌発生の原因となるため、目には見えない凹凸が命取りに。形状や材質によって研磨方法がすべて異なるため、基本は手作業。金属加工において機械自動化が最後になるとも言われる、業界でも「ニッチ」な分野だ。同社は研磨剤を染み込ませた布地を高速回転させる「バフ研磨」を得意とする。
取引先は300社以上。依頼は8000リットルの巨大タンクから2・5mmの極小パーツまで多岐にわたる。平均年齢30代、少数精鋭10人のメンバーを率いるのは藤枝伸夫代表。製品に社名は出ないが、「当社の研磨あってこそ製品が完成する、と言っていただける企業も多く、社員の誇りにもなっている」と説明する。
「あえて社是は『ない』んです」。過去に囚われず常に最善を選択する柔軟さを求めてたどり着いた新しい会社の在り方だ。「敢えて目標を上げるなら、研磨技術に誇りをもって働くこと。昭和・平成を乗り越え、”令和型工場”を目指しています」と笑顔を見せた。
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