春の大型連休中に江の島を訪れた観光客数が、コロナ禍以前の2019年と比べて59%減少していることが12日、市の実施した調査で明らかになった。スマートフォンの位置データを活用し、人の流れや駐車場利用、渋滞状況を分析。中高齢者層の減少が著しいことや近隣からの来訪が増えていることなど、客層の変化も鮮明になった。
調査はKDDIが開発したビッグデータ分析ツールを活用。スマートフォンのGPS位置情報から来訪者の属性や居住地、主要動線などが分析できる。今回は江の島島内と片瀬海岸西浜・鵠沼海岸のそれぞれのエリアを対象に行った。
分析結果によると、4月29日から5月5日までの江の島エリアの来訪者数は約15万人。2019年同時期と比べ、緊急事態宣言下で84%減だった20年より改善したものの、59%減と依然回復に至っていない実態が浮き彫りになった。
年代別では、20代が24%、30代が43%減。一方、40代が54%、50代63%、60代65%、70代以上が69%減と中高齢者層の減少が著しい。
また、出発地点では県内が59%で最多。東京都が23%と続いた。19年と比べるとインバウンド(訪日観光)需要が激減したことに加え、遠方地域からの来訪が半減以下になるなど、近場を楽しむ「マイクロツーリズム化」が顕在化していることが分かった。
大型連休最終日の5日午後、島内には若者の姿が目立ったが、行き交う人はまばら。江の島観光会会長の二見将幸さんは「営業できるだけありがたいが、コロナ前と比べるとまだ圧倒的に客足は少ない。若者は中高齢層に比べて消費が少なく、人出5割、売上3割の印象」と連休を振り返る。
今回の分析について、市観光課は「これまで人の肌感覚に頼っていたことがデータで裏付けられた。正確な根拠を得ることで有効な対策も打てる。今後の観光施策に生かしていく」と話した。
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