現在国が示す新型コロナウイルスワクチンの優先接種の対象になっていない、施設に通所する知的障害者への接種が8日、鵠沼海岸にある藤沢市太陽の家(市心身障がい者福祉センター)で行われた。施設と病院が連携し、ファイザー製のワクチン約180人分を確保。利用者約60人や職員、施設関係者を含む計約180人が接種を受けた。
「〇〇さんができたら皆の見本になるから、がんばってね」
8日、職員から声をかけられると、利用者の男性は落ち着いた様子で看護師から接種を受けた。
障害者のワクチン接種を巡って、国は施設に入居・居住する人については優先対象者と位置付ける。ただ、通所や居宅介護の人の場合、市町村に判断が委ねられており、自治体ごとに対応が分かれる。藤沢市の場合、一律ではなく、施設からの相談を受けて個別に対応していた。
同施設には18歳以上の知的障害者が通う生活介護事業所と就学前の子どもの児童発達支援センターなどがある。永井洋一所長は「生活介護事業所の利用者はマスクがつけられない人がほとんど。日々の支援自体が濃厚接触の業務となっており、利用者、職員ともに一日も早い接種が必要だと考えた」と説明する。
国の職域接種は人数面でのハードルが高かったため、基礎疾患者と高齢者等支援施設の枠組みで接種を模索。施設の産業医を務める湘南中央病院と連携し、約180人分のワクチンを確保した。
利用者の接種は家族の判断を仰いだ上で実施。34歳の息子が同施設に通う女性(65)は「(障害者が)感染すると通常の家庭よりリスクが高い。親子双方が接種できれば安心」と話した。
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