藤沢 社会
公開日:2023.05.05
こども家庭庁発足1カ月 支援のあり方は
「声」を聞き 支援につなげる
藤沢市子ども青少年部長・三ツ井幸子氏
国の子ども政策の司令塔として「こども家庭庁」が4月1日発足し、1カ月が経過した。新たな省庁の誕生により、藤沢市における子育てや子ども支援への影響はあるのか。そもそも藤沢は「子育てがしやすい街」なのか。市内で子育てをする本紙記者が、市子ども青少年部長の三ツ井幸子氏に聞いた。(聞き手・高橋由起)
--「子ども家庭庁」発足で市への影響は。
「報道ベースでは少子化対策など様々な策を打ち出す用意があるとされていますが、現在のところ、指針を示す『こども大綱』も策定されておらず、市としては具体的な対応をする段階にないのが現状です。まずはこども基本法で子どもと子育て当事者の意見表明や参加が求められているので、どう対応していくかが課題と捉えています」
--今後の取り組みは。
「検討段階ですが、2024年4月の児童福祉法改正に向け『子ども家庭センター』の設置が求められています。市では、すでに子ども家庭課と健康づくり課で行っている相談支援を一体的にに取り組むことが制度上求められています。母子保健に関し、訪問や検診などで親子の状況を把握しながら、それらリスクを見極めた上で、支援へつなぐ流れを担います」
--当事者の声をどう拾い上げていきますか。
「非常に難しいところです。大人が期待する意見を言わせるのでなく、子どもが率直に本音を言える場を作ることが重要です。ワークショップのような形も試行したいと考えています。子育て当事者に対しては、子育て支援センターなどを活用し、日ごろの暮らしの延長から施策に生かす方法も大切と思っています。今後予定するアンケート調査では、声を上げにくい人たちの意見も拾っていきます」
--「子育てのしやすさ」から移住を決める人が増えています。
「藤沢への移住理由には、海や緑などの自然環境や交通の便の良さなどがあると考えています。子育て視点では、市内に300以上ある公園や安全な通学路などが一定のニーズを満たしているのかもしれません。市としては、一点豪華主義的な事業がなくとも、出産前から乳幼児期、学童期にいたるまで、市全体で子どもを支援し見守る風土があることが重要だと考えています」
--施策で力を入れてきたことはありますか。
「例えばインクルーシブ公園など、多様な子育てに応えられる環境整備を進めてきました。一つの指標として保育所の待機児童数がありますが、ここ2年は解消しています。数字に一喜一憂するのでなく、よりきめ細かい支援が必要です」
--小児医療費助成など今後の課題について。
「医療的ケア児では、今年の4月から県が設置した相談窓口との連携を含め事業者委託を開始しました。小児医療費に関しては、24年度中に18歳まで無料化出来るよう、準備を進めています」
--貧困、いじめ、虐待など子どもを取り巻く問題は数多くあります。
「市だけで解決は難しい問題もあります。その上で、それぞれの問題にいち早く気付き、適切な支援につなげられるような体制を構築していくことが必要です。追いつめられる前に、SOSを出しやすい地域社会にしていくことも大切です」
--今後の子ども・子育て支援の方針は。
「来年度、市子ども子育て支援事業計画と市子ども共育計画の改定があります。国のこども大綱を踏まえ、今後5年間の方針を盛り込む予定です。誰にとっても住みやすい街、住み続けたいまちという視点を大切にしていきたいと思います」
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