鎌倉市医師会の会長に就任した 山口 泰さん 由比ガ浜在住 60歳
「地域医療充実へ力尽くす」
○…鎌倉市医師会の新会長に、このほど就任した。「鎌倉でも高齢化が進み医療、介護に対するニーズはますます多様になっている。関係者間の連携をより深め、市民の皆さんの声に応えていきたい」と意気込みを語る。
○…「幼い頃から国語が苦手。それで理系を目指したけれど、医師になるつもりはなかった」という。大学受験の際、ただ1校受験した医学部に合格。周囲の薦めもあって進学した。「なんとなく」選んだ医療の道だったが「専門にした消化器は身体に広範にかかわるので、すごくやりがいがあった」と振り返る。大学病院やアメリカでキャリアを積んだ後、大船の総合病院に3年弱勤務。38歳の時、大船駅近くに内科医院を開院した。「患者さんの困り事を解決して感謝される。今では医師になって良かったと思っています」。長男も同じく医師になっており「特別アドバイスはしないけれど、やっぱりうれしいですね」と目を細める。
○…医師会は健診事業や予防接種の実施、休日夜間急患診療所、訪問看護ステーションなどの運営を担っており、行政との折衝など慌ただしい日々が続く。「会社員の友人たちからは定年後の話題が出るようになっているのに、私は今が一番忙しい」と苦笑い。それでも「地元鎌倉でよりよい医療を実現するため、自分にできることがあるなら精一杯力を尽くしたい」
○…3年前から始めたクラシックギターが「今は一番の気晴らし」だ。目下、10月の発表会で披露する予定の「プレリュード3番」(ヴィラ・ロボス)に挑戦中。「だいぶ指が動くようになったけれど、まだまだですね」。取材後の写真撮影では、それまでの診察服から蝶ネクタイ姿に。「今度写真が必要で。後で一枚もらえますか」とニコリ。おちゃめな一面が垣間見えた。