新型コロナウイルスの影響で今夏、市内3海水浴場(由比ガ浜・材木座・腰越)が開設されなくなったことを受け、鎌倉市は6月25日、海岸における安全対策の概要を決めた。海上にコースロープやブイを敷設してマリンスポーツ禁止エリアを設けることで、サーファーと遊泳者らの接触事故の防止を図るほか、ライフセーバーを「海岸事故未然防止員」として配置するなどの対策を講じる。
これは海水浴場関係者など約30人が出席して、同日行われた「令和2年夏期鎌倉海岸における取り組み連絡会」で発表されたもの。市は出席者の意見を踏まえた上で、約5000万円の費用を投じ、5項目にわたる安全対策を実施する(左表)。
市は2014年、「公共の場所におけるマナー向上に関する条例」を制定。海水浴場開設が条例適応の条件となっていたため、6月の市議会定例会に改正案を提案し、今夏限定として飲酒や喫煙、音響機器・裸火の使用を引き続き禁止するよう求めるとともに、これを周知するマナーアップ推進員(警備員)を各海岸に2〜4人配置する。
また、サーフィンなどマリンスポーツをする人と遊泳者の接触事故を防ぐために、沖合まで縦横50mのマリンスポーツ禁止エリアを設置。漁船出入エリアも設けた。
材木座から腰越までの海岸に、マナー条例の禁止事項をイラストで呼び掛ける看板を14カ所、マリンスポーツ禁止エリアを矢印で示した看板を9カ所設置し、PRする。
さらに、ライフセーバーの役割を担う海岸事故未然防止員を5人程度置き、危険周知や救助活動を担うほか、各海岸入口と公衆トイレ付近にごみ箱を設置、収集する。
会に出席した県ライフセービング協会の菊地一郎副理事長(48)は「まずウイルス感染を防ぐことが一番。事故が起きないよう海に関する様々な団体が連携し、今夏を乗り切りたい」とコメント。松尾崇市長は「海にはなるべく来ないでと言っても住民にとって海は生活の一部。不都合があれば取り組み内容を修正するなど丁寧に進めていきたい」と述べた。
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