女性活躍の先駆者に

　○…国税の電子申告・納税システム「ｅ-Ｔａｘ」を活用した確定申告や、来年10月の「インボイス制度」導入--。11月11日から17日までの「税を考える週間」に合わせ、変革期に直面する納税への理解を呼び掛けた。「近年はスマホ申告の利用率も上がってきた。若手職員による推進チームを中心に、引き続き丁寧な広報に取り組みたい」と語る。

　○…日本橋税務署でキャリアをスタートし、豊島税務署では初の女性副署長に就任。東京国税局長の秘書も務めた。中でも思い出深いのは、東京国税局管内にある全税務署の指導監督を行う現・法人課税課での勤務。「国税組織のために身を粉にして働く先輩職員の姿を目の当たりにしたことが、私の税務人生の転機でした」と振り返る。

　○…今年７月、平塚税務署初の女性署長に就任。着任を前にした７月10日には、20数年ぶりに湘南ひらつか七夕まつりの会場に足を運んだ。歴代署長から受け継いだ「77代目」のバトンに「不思議な縁を感じますね」。職員への訓示では「チーム平塚」をスローガンに、「チームワークとチャレンジ精神を持って、誠実に職務を行っていこう」と呼び掛けた。都内の自宅から２時間弱の通勤にも慣れ、職場に着いて署長室から富士山を眺めるのが日課。

　○…目指すのは、地域住民にとっても職員にとっても開かれた税務署。職場でのコミュニケーションを活発にするため、署長室の扉はいつでも開放している。駆け出し時代から男性中心の環境でもまれた経験があるからこそ、「後輩の女性職員に理想とされるような上司になれたら」。女性活躍のフロントランナーとして走り続ける自身の経験を、後進に伝えていくつもりだ。