感動を絵筆に乗せて

　○…花と器をテーマに描いた水彩画の絵はがきシリーズを、昨年12月から大磯港のＯＩＳＯ ＣＯＮＮＥＣＴで販売。全10種の絵はがきは、身近に咲く花や旅行先で見かけた花と、美術館などに展示されている重要文化財の器などを組み合わせて描いたものだ。「きれいだなと感動したものを描きたくなるので、どの絵にも愛着があります」と優しくほほ笑む。

　○…静岡県磐田市に生まれ、３歳から浜松市で育った。日本楽器製造（ヤマハの前身）でエレクトーン第１号の開発に関わった父を持ち、自身も幼稚園の頃から音楽教室に通い、小学校からピアノを始めた。歌が好きで高校では合唱部に所属。大学を卒業後、大手輸送機器メーカーで働きながら合唱団に所属し、小澤征爾氏の指揮で歌ったこともあったという。１９９３年に二宮町、２００５年に大磯町へ移り住んだ。

　○…父の勧めで１９９８年から絵を始めた。小学生の頃に美術展で入選したこともあり、「歌ってばかりいる娘に、別のこともしてみたらという親心だったのだと思います」と振り返る。二宮町の画家・故鷹野良宏氏の絵画グループに参加し、大磯町の画家・故高田保雄氏とも親交を持ち助言を受けた。花と器をテーマに作品を描き、二宮町や大磯町の美術展に出展。上野の森美術館の「日本の自然を描く展」などで入選している。

　○…ピアノと水彩画で大磯町生涯学習指導者に登録。２０１８年には大磯と二宮で個展も開いた。「次は島崎藤村が好きだったという白い椿を、亡父の故郷の萩焼に生けた絵を描きたい。今年はまた個展も開ければ」と抱負を語る。料理やお菓子作りが得意で、自宅でドイツのリンツァートルテを焼いて知人に振る舞うことも。