まちの安全　仲間と守る

　○…第90代大磯警察署長に就任した。まず署員たちに伝えたのは「明るく元気に、何でも語り合える職場にしよう」「知恵と汗を流してスピード感を持ってやっていこう」「家族や仲間、住民の皆さんを大切にしよう」。どれも警察人生で学んできた教訓だ。「この仕事は、家族や地域の方の警察活動に対する理解と協力があってこそ。コロナも落ち着いてきたので、顔が見える関係を作りたい」と意気込む。

　○…岩手県一関市出身。６人兄弟の末っ子として育った。２人の姉が神奈川県警に入庁していたこともあり、神奈川の魅力は自然と耳に入ってきた。「山も海もあって良いところだと姉から聞いていた。いろんな署を回りましたが、本当に過ごしやすい地域ですね」と笑う。

　○…21歳で入庁。35年ほど刑事部にいた。「全部が印象深い」と被疑者、被害者に向き合った一つ一つを振り返るが、浮かんでくるのは同僚への感謝だ。「時には命を張る危険な現場もある。仲間との信頼関係が本当に大切。先輩の経験が現場で生かされ、その背中を見て学んだ僕たちも、後輩に繋いでいかないといけない」

　○…「警察官は、時には先生のように諭したり、時には裁判官のようにジャッジしたりしなければいけない場面がある。人間力が必要だし、鍛えられる仕事なんです」。刑事部にいた頃からの習慣で、管轄内をバイクや徒歩で回るようにしている。単身赴任中のため、スーパーなどを回って地元食材を手に入れ、自炊するのも楽しみの一つ。「あちこち買い物していますよ。少しでもまちの情報が得られたらうれしいです。まちに愛着を持って、仕事したいですから」とやさしい眼差しで、まちの安全を守っていく。