外商経験生かし法律の道へ

　○…相模川以西の３市８町、約80人の司法書士を束ねる小田原支部長に６月就任した。来年から始まる相続登記の義務化の周知をはじめ、市役所での相談会など市民生活に寄り添った活動を展開。「一人で悩まず相談に来てほしい。司法書士が法律相談のハブ駅のような存在になれれば」

　○…香川県出身。関西大学法学部を卒業すると、大手百貨店の外商部に配属。業務効率化を目指し、当時まだ珍しかった菓子折りなどの付け届けの手配サイトを立ち上げるなど、積極的に新しいアイデアを実践する。ある時、売掛金の回収に苦労していた他の担当者を見て、「大学時代に学んだ法律の知識が生かせないか」と考えた。はじめは社内で役立てる方法を模索していたが、司法書士試験合格を機に約20年勤めた会社を離れる決意をした。

　○…43歳からの第２の人生。横浜や都内の事務所での修業期間を経た４年後、妻の英恵さんとともに平塚に事務所を構えた。「はじめはてんてこ舞い」だったが、依頼者と対面し、その人に何が必要かを探っていく作業は百貨店時代と同じだった。一度、相続相談で訪れた顧客が別の案件でも自身を頼ってくれたとき「業界は違えど真剣に取り組んだことは無駄にならない」と実感した。

　○…学生時代から熱中していたフィルムカメラで電車や汽車の写真を撮るのが何よりの楽しみ。今気になっているのは平塚市豊田地区の東海道新幹線の高架越しに見える冬の富士山。「電柱も少なく、空気が澄んでいて絶好のスポットなんです」と笑顔を見せる。自身が長を務める支部については「エリアは広く司法書士の人数は少ない。地域に貢献していくためにもメンバーの横の繋がりを強固なものにしていきたい」と前を向いた。