身近な相談に寄り添う

　○…総務大臣から２年間の任期で委嘱され、地域の身近な相談相手として、行政に関する相談を受ける行政相談委員を務めて今年で17年目。その長年の活動が評価され、10月には行政相談委員総務大臣表彰を受賞した。東京都の京王プラザホテルで表彰状を受け取ったことを「夢みたい」と噛み締める。２００７年に就任して以来、住民に寄り添い、必要なときは関係する行政機関に改善の申し入れなども行ってきた。近所の人との立ち話から行政の課題に発展することもあるという。

　○…二宮町で生まれ育った。高校卒業後は中南信用金庫に7年勤務し、のちに結婚。30代で同級生が始めた病院で事務として働き、今も現役だ。仕事に行政委員の活動に忙しい中、趣味のゴルフも楽しむ。月に２回箱根や熱海に出かけてリフレッシュ。「うまく飛んだり、当たりが出ると楽しい」

　○…昨年、病気を患い、１年間手術と治療の日々を過ごしていたこともあり、再任を辞退しようか迷っていたという。「この先も続けることができるか自信がなかった」。委員の本部に相談した際に激励を受け、「もう２年だけやってみよう」と決心。その後に表彰の話が届いただけに、感慨深いものがあったという。表彰の際は高校時代の友人からサプライズで花束をもらった。「本当に人に恵まれてきた。ありがたみを感じる」

　○…現在は病気の症状も落ち着き、行政委員の活動や医療事務の仕事に励んでいる。治療の日々は「人生の中で一番大変な経験だった」と振り返る。そんな中でも、頼りにしてくれる近所の人や高齢者の存在がやりがいにつながっている。「体が元気なうちは続けていきたい」と穏やかにほほ笑んだ。