全日本バレーボール高校選手権大会(通称春高バレー)の神奈川県予選が11月15日に平塚市総合体育館で行われ、相洋高校女子が準決勝で伊勢原高校と対戦。0─2で敗れ、悲願の春高初出場は叶わなかった。
5年ぶりにベスト4のコートに帰ってきた相洋。躍進の陰にあったのは意識改革だ。
「チームとして全然ダメだった」と、昨年から指揮を執る元日本代表の大川千穂監督は始動当時を振り返る。挨拶ができない、整理整頓がなっていない。「春高に出る、勝つためには人間性」と説く監督はまずコート外での生活指導から徹底した。チームは絶対的な存在がおらず、「とにかく粘ってつなぐしかない」(相澤穂花主将・3年)。一人ひとりが自己を見つめ、チームを思いやるようになると、徐々に細かなコンビバレーが機能し始め、”つなぐ”カラーを色濃く出せるようになっていった。
春高まであと1勝という大舞台で「緊張のまま呑まれてしまった」(大川監督)。「ブロックの間を打ち抜くのが得意」な2年生エース・佐藤すず奈さん=写真下=のアタックなどで食い下がるも、セット中盤から粘れずストレート負け。力の差を痛感した。それでも相澤主将は「試合を重ねるごとに相洋らしいバレーができて、やりきれた。あとは後輩がつないでいってくれたら」と晴れやかな表情を見せた。