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公開日:2011.09.30

自転車タクシーでエコ啓発
市民団体が普及活動

  • 自転車タクシーを体験した中原区在住の福永親子(手前)

 エコな交通手段の一つとして自転車タクシーの普及を――。市内ではそんな活動が行われている。二子在住の井坂洋士さんは環境に優しい交通手段を広めようと、市民団体を立ち上げ活動中。今月24日には等々力緑地で自転車タクシーの試乗会を初開催した。エコの意識を高める狙いもある。



 井坂さんが代表を務める持続可能な地域交通を考える会は、3年前に発足し会員は10人。自転車タクシーやコミュニティバスの運行、公共交通機関の有効利用など総合的な交通施策を地域の状況に応じて考え、環境に優しい交通手段の普及に向け取り組んでいる。



 同団体はコミュニティバス等の先進事例を視察、また導入を希望する地域の実態調査等を行うほか、関連書籍等を紹介する情報冊子も定期的に作成し、イベント会場や高津・中原図書館で配布している。



 自転車タクシーの普及活動のきっかけは、高齢者の「将来、自転車に乗れなくなったらと思うと不安」との声。高齢者の移動支援としての役割を見出し、「地域によっては、採算面の課題が大きいコミュニティバスよりも自転車タクシーが活躍する場があるのでは」(井坂さん)と考えた。



 時速は約8Km。時には運転手と会話をしながら地域を回遊することで、街の再発見や地元商店での消費促進につながる可能性があるという。高齢者が行動を起こすきっかけになり得るほか、地域のシンボルとしてエコのイメージを視覚的に広げる狙いもある。



 自転車タクシーが導入されれば、運営費用は運賃・広告料・協賛・会費等で賄う。現在は認知度向上への周知活動が中心だが、井坂さんは「人と環境に優しい街ができれば」と期待する。



 今月24日には等々力緑地でCO2削減をテーマに開催された地域イベントに参加。他団体から借りた車両2台を持ち込み、初の自転車タクシー試乗会を開いた。2人の運転手も招いた。



 試乗した中原区在住の主婦、福永泉さんは「交通量が多い道路では心配もあるが、狭い道では小回りがきいて良い」、長女の彩良さん(5)は「面白かった。また乗りたい」と感想を話した。

 

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