幸警察署(伊藤守署長)によると、昨年の区内の振り込め詐欺被害額と件数が、一昨年同時期の約2倍に膨れ上がっていることがわかった。同署では振り込め詐欺の電話があった地域でパトロールを強化するなど注意を促している。
幸警察署管内の昨年1月から12月までの振り込め詐欺被害額は約8800万円で、被害件数は20件(うち未遂1件)。最大被害額が約2000万円だったことも影響し、前年の約3600万円から5200万円増加し、件数も10件(うち未遂1件)から倍増した。古市場や小倉、南加瀬などの高齢者が多い地域に電話が増えている。県全体は、約40億8000万円(暫定値)で、1286件。前年より4億5千万円、264件増加した県と比べて、区内の被害拡大は顕著だ。
区内で最も多い事例は、高齢者をターゲットに電話で息子や孫をかたる「オレオレ詐欺」。犯人は、小切手を入れた鞄を紛失あるいは盗難されたなどの理由で、無くなった小切手を補填するために金を貸してほしいといった電話をする。さらに、知らない番号から電話が掛かってくることを不審に思われないために、自分の携帯電話は無くしたなどと話すケースもあるという。
昨年11月頃からは、区や金融機関の職員をかたる「還付金詐欺」が相次いだ。高齢者宅に「医療費の還付金があるので今日中に手続きをしてほしい」と電話があり、ATMでの入金を指示されるケースなどがあった。
被害を防ぐために同署では、高齢者に留守番電話の設定を呼びかけている。犯人は特定を避けるため、自分の声を残さない傾向があるからだという。また、振り込め詐欺の電話があった地域では、注意喚起をするパトロールを強化。また金融機関には、高齢者が100万円以上の引き出しをする場合に、同署へ相談するよう呼びかけている。
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