あすから始まる「あやせ文化芸術祭」の実行委員長を務める 笠間(かさま)實(みのる)さん 早川在住 70歳
人を繋ぐ文化交流を
○…2カ月を越える長期間にわたり、市内の文化・芸術の12部門の事業が開かれる「文化芸術祭」が今年も始まる。それまでスポーツセンターの体育館で開かれていた「芸術展」から、市役所7階展示ホールでの開催とし、舞台発表なども統合し1998年から毎年開かれている恒例のイベント。当初から実行委員会に携わり、03年からは実行委員長を歴任、綾瀬の「芸術の秋」の一翼を担ってきた。
〇…舞踊、歌舞伎、華道、三味線、民謡と文芸分野の趣味だけでも多岐にわたる。とりわけ歌舞伎に関しては「目久尻歌舞伎」を復活させた第一人者。かつては地域のどこにも存在した「村歌舞伎」の衰退・減少を目の当たりにし、93年に一念発起し舞踊仲間を集め結成した。現在も依頼があれば公演を行っている。「舞踊などでも同じだけど、伝統芸能を若い世代に繋いでほしいね。習い事や塾で子どもたちは忙しくて、せっかく楽しんでくれても小学生位で止まってしまうことが多いよ」。少し切ない表情をみせた。
〇…綾瀬生まれ、綾瀬育ち。笠間家の5代目長男として幼い頃から、この地に根を張って生きていく事を宿命と思って生きてきた。交通指導員やPTAなど地域活動にも広く携わり、若い頃から多忙を極める日々が続く。「家族旅行に行ったことなんて無いよ」。それでも家族はとても仲良し。同じ趣味を持ち、同じステージに立つこともしばしばある。家族を繋ぐ「文化」は地域の人同士も結びつなぐことができるはず。
〇…年々参加者が増えている文化芸術祭。毎年特に多く来場者が集まる子どもの絵画・書道展では計715点の力作が並び、華道部門では子どもたちを対象にしたワークショップも予定している。菊花展や陶芸展はまだ展示作品も募集中だ。「幅広い年齢層の方にご参加、ご来場いただき、みんなの親睦を深められる場になれば」。あすからの祭典に想いを馳せる。