明日から2日間の催し「家族で作ったいかだで川下り」を中心となって運営する 齊藤 拓也さん 深谷南在住 31歳
無理なく、できるだけでいい
○…田畑が広がる、のどかな吉岡の目久尻川にまた賑やかな笑い声が集まる。昨年初開催し、盛況に終わった「いかだ下り」を、今年はより家族のオリジナル感を増やし企画した。「『綾瀬が好き、いいな』と思える子どもや家族が増えてくれたら」。最近は連日事業の打ち合わせや準備に追われ、仕事もままならない状況だが、なんとか成功させようと東奔西走する。
○…6年ほど前に商工会青年部に入会し、仲間に誘われ綾瀬青年会議所にも仲間入りした。小学6年生の頃から綾瀬には住んでいたものの特別な思い入れはなかったが、仲間と時間を積み重ねていく中で郷土愛が芽生えていった。「駅はないけど、自然も多いし、人が他人ぽくないところが良いです」。活動を通じて多くの人に出会うが、話してみると誰か知人と繋がっていることが多い。「初対面でもあったかい感じがします」。自分は「嫌いなものは食べない」スタンスだったが「とりあえずかじってみる」「やれるだけやってみよう」と変わりはじめた。
○…「親子愛の事業ではちょっとウルっときちゃいました」。3年前、事業で親子の宿泊事業を行った時のこと。親から子へ、子から親へ、お互いに手紙を書き合った。普段何気なく過ごしているけれど改めて伝えられた感謝や愛情の溢れた言葉。自分自身にとっても「良いことができた」というやりがいになった。
○…今回は自分たちの地元を自分たちで良くしたくなるよう先導する事もねらい。参加者で目久尻川をより良くするための「ミニ実行委員会」を結成する。「あまり真面目すぎたら重いけど、綾瀬が好きで、自慢みたいに思える人が増えてほしい」。人の心の変化はなかなか目に見えないものだが、地道に一人ひとりに呼びかけ連鎖させることが大切と考える。童話「北風と太陽」の太陽のように、無理に押すのではなく「やれる範囲でね」と、優しく周囲の背を押しリードする。