市内初のネーミングライツを導入した「綾瀬市オーエンス文化会館」の館長を務める 田中 恵吾さん 市中央公民館勤務 62歳
「37年の恩」地域に還元
○…今年4月に市中央公民館長に就任し、8月1日にリニューアルオープンした「綾瀬市オーエンス文化会館(市文化会館)」の館長も務める。校長を定年退職後に県立図書館の職員として働いていたが、館長職の打診を受け「37年お世話になった綾瀬に恩返しをしたい」という思いから、頭を下げ任期途中で退職。これまで別々に活動していた公民館事業と文化会館事業を統括する立場として、日々忙しく動き回る。
○…運営が市から指定管理に変わり、これまでよりできることの幅が広がった。オーエンスと話し合い、中央公民館と文化会館の運営の方向性や考え方をまとめた基本理念を構築。これに則りチケットの割引制度や、市民の文化活動への助成制度創設など新たな取組みも始めている。アイデアや構想は次々浮かぶようで「そのうち、会館のイメージキャラクターを作りたい」と笑顔を見せる。
○…山口県出身。今は海老名に居を構え、夫人と長男と暮らす。弁護士の夢破れ受験したのが、「天職」に繋がる山梨の教育系の大学だった。山口、東京など5県の教員試験を受け、全て合格。横浜への強い憧れから神奈川を選び、天台小に赴任した新任教師が教職に没頭するのに時間はかからなかった。その後、落合小、県教委、市教委などを経て早園小と綾南小の校長に。「保護者や子どもに助けられてきた。苦しいこともあったけど、それ以上に楽しかった」。全力で走り続けた37年間を振り返る。
○…「館長になって、かつての教え子や今の子どもたちの保護者と会うことがある。みんな驚くけど色々協力してくれて、とても勇気づけられる」と目を細める。目指すものは市民サービス向上だけでなく、市民とともに作り上げる文化会館。「理想はみんなが集まり何かを作ることができる会館。自分は、その基盤をつくる礎になれれば」と柔らかく、しかし力強い口調で展望を語った。