逗子・葉山版 掲載号:2017年7月21日号
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「逗子フェアトレードタウンの会」事務局長を務める磯野 昌子さん逗子市新宿在住 48歳

日々の生活、見直して

 ○…発展途上国で生産される農産物や工芸品を適正価格で取引する「フェアトレード」。逗子市がまちぐるみで推進する全国で3番目のフェアトレードタウンに認定され、1年の節目を迎えた。この間、官民協働の啓発イベントが行われるようになり、若い世代の関心も芽吹きつつある。だが、周知はまだまだ不十分。「逗子が認定都市と知らない人がほとんど。まずは活動の中身を知ってもらいたい」

 ○…大学の研究機関で国際協力の分野に長年携わってきた。世界の貧困や格差を自分事として捉えるためにはどうすればいいか。その中でフェアトレードとも関わりを持った。だが当初は活動そのものに「限界を感じた」とも。劣悪な労働環境や対価に見合わない報酬。調査で訪れたインドやネパールで生産者が置かれている状況を目の当たりにするにつれ、根本的な解決になるとは思えなかったからだ。転機は6年前、逗子で開かれたイベントに参加して。「市民運動が盛んで担い手もいる逗子なら」。会の前身となる勉強会を立ち上げ、認定取得に向けて仲間とともに準備を進めてきた。

 ○…逗子海岸を目の前に臨む5坪ほどの小さなお店。2年前、写真家の友人とフェアトレードとオーガニックのセレクトショップ「@MARE」を開いた。商品をきっかけにフェアトレードの話が弾んだり、ふらりと店に訪れた人同士で新たな交流の輪が生まれたり。穏やかな時間が流れるこの場所は自身にとっても宝だ。

 ○…フェアトレードはともすれば恵まれない人への一方的な支援と捉えられがち。だが「公平」の言葉が示す通り、消費者と生産者のあくまで対等な関係を表している。訴えたいのは、ただ物を買うのではなく「自分の生活を見直して、少し変えてもらうこと」。大量生産、大量消費社会を劇的に変える特効薬はないのかもしれない。でも、ひとり一人の行動の積み重ねがいずれ世界を変えると信じている。

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