地域防災 被災地に学ぶ 土沢中生徒が視察報告
土沢中学校の生徒会が、宮城県石巻市と仙台市の小中学校を視察した報告会を13日、同校体育館で行った。目の当たりにした震災被害を教訓に、学生にできる地域の防災活動も考案。実践に向けた計画を紹介した。
視察には、生徒会長の長谷川諒さん(3年)ら5人の生徒が参加。先月27日と28日、栗木雄剛校長の引率で石巻市の青葉中学校と渡波(わたのは)中学校、門脇小学校、仙台市の五橋(いつつばし)中学校などを訪れた。
生徒は校舎や周辺の現況を写真に収めたり、案内を担った青葉中学校の小野寺幸博教頭に当時の話を聞いたりして、震災直後から現在までの状況を調査した。視察を終えて中学校に戻ると、インターネットで情報を補足し、報告資料の作成に着手。栗木校長と説明文をまとめ、1週間をかけてスライドを仕上げた。
5人は13日、生徒や地域の関係者が見守る中で報告に臨んだ。震災当時、数千人の被災者を校舎内に収容しきれず階段に人が溢れた青葉中学校の様子や、昇降口に転がる焼けたランドセルやトランペットが、震災の生々しさを物語っていた門脇小学校など、実際に見聞きした情報を写真と共に紹介した。
被災した生徒の心情や行動にも焦点を当てた。五橋中学校では地震翌日、床が避難者の靴で汚れているのを見た生徒が掃除を始めた。遠足地として縁のあった、宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)中学校に向けた募金活動も湧き起こったという。
報告を終えると、災害に備えて中学生ができる役割を発表。土沢中学校周辺は土砂災害の恐れがあるため、危険箇所をまとめたマップの作成を企画しているという。また、津波被害が懸念される沿岸の中学校を助けるための体制づくりも重要と訴えた。
長谷川さんは「もう大きな地震は来ないだろうと思わず、災害の実態を後世に伝えていきたい」と報告を振り返った。栗木校長は「リハーサルより緊張していたようだが、しっかりと発表してくれた」と、大役を務めた5人に目を細めていた。
6月21日には土屋小学校と吉沢小学校で、内容を小学生向けに変更した報告会を実施するという。
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