足柄上地域で初の女性柔道公式審判員になった 野村恵美(めぐみ)さん 秦野市在住 35歳
描いた夢を心の支えに
○…1月15日に行われた湘南地区昇段審査会の中で審判実技試験に合格し、全日本柔道連盟審判資格C級ライセンスを取得。足柄上地域では初となる女性の柔道公式審判員となった。「今は合格してホッとしています。外から見ていればできそうなことでも試合場に入ると緊張して頭が真っ白になっていました。試験には合格しましたが、まだまだ反省点も多いのでこれからもっと精進していきたい」と、気を引き締める。
○…「自分もあんなふうに大きい人を投げられるようになるかもしれない」。浦沢直樹の漫画『YAWARA!』に影響され、ブラスバンド部に所属していたインドア派の少女は高校に入学後、それまでとは大きく方向変換し、柔道着に袖を通した。「始めた頃は受身などの基礎練習が苦手で。すぐに漫画で見たように投げられると思っていた」と話すが、競技を続けていくうちに”強い人に勝ちたい””最後までやり遂げたい”という想いが強くなり、気づけばすっかり柔道にのめり込んでいた。「画で見たことをやりたいという夢が今までの支えになっています」。
○…「なかなか休みが合わなくて去年はキャンプに行けなかったので、今年は子どもたちや愛犬2匹を連れてキャンプにいきたい」。普段は家事や3人の子どもを育てながらリラクゼーションのセラピストとして勤務する”働くお母さん”。警察官の夫と3人の子どもの一家5人全員が柔道を愛する柔道一家で、指導方針などに共感を受けた南足柄市柔道育成会に3人の子どもを通わせたことをきっかけに、同会で子どもたちへの指導をするようになった。
○…2012年度から公立中学校での柔道の必修化が始まる。「子どもたちには柔道を通して、感謝する心や目上の人を敬う気持ちを学んでほしい」。今後はそういった場でも指導ができるように、礼儀作法や指導技術など柔道への理解を深めたいという。働くママの柔の道への挑戦は続く。