恩田川遊水地整備対策協議会は11日、黒岩祐治県知事宛の恩田川遊水地整備計画に関する要望書を県土整備局長に手渡した。宮田吉秀会長は「地球温暖化の影響で豪雨災害が増加しており、一層の河川改修が急務。早期着工と早期完成をお願いしたい」と訴えた。
恩田川周辺では1976年と82年、台風により浸水被害が発生。76年は床下浸水549戸、床上浸水233戸の被害をもたらした。
こうした背景から、県は2007年に「鶴見川水系河川整備計画、鶴見川流域水害対策計画」を策定。小山橋下流から都県境までの約6・5Kmで時間雨量概ね60mmの降雨に対応するよう、河川整備を行う。恩田川遊水地整備については、18年度に県が複数の候補地を抽出し、比較検討を行った。その結果、緑区内の小山町に約3ヘクタール(計画容量約10万㎥)の遊水地整備の計画とし、現在詳細設計が始まっており、事業用地を提供する地権者との交渉が進められている。
恩田川周辺の西八朔・青砥町・中山・新治町・十日市場町自治会長が署名した要望書を提出した11日には、同協議会の宮田会長をはじめ、篠原敬一事務局長、柳下剛県議会議員も同席。23年度以降に着工し、着工から7〜8年の工期としている工事計画の「早期着工・早期完成」を求める内容となっている。また、遊水地の上部利用についても総合グラウンドや付帯設備としてトイレやミーティングルームなどの整備を求めた。さらに、防犯対策として照明やライブカメラの設置、周辺農道の整備や地盤沈下対策、水田の漏水対策などが盛り込まれていた。
「地元住民の要望」
宮田会長は「地球温暖化による豪雨災害が多くなっている状況からして計画の重要性はよく理解している。早期完成は地元の要望ということもあり、協議会としてこれらの要望を取り入れて頂ければ、事業に協力をしていきたいと考えている」と要望。それに対し県の担当者は「遊水地整備は県内でいくつか計画しているが、小山町の計画はほかにもないスピード感で進んでいる。今後も上部利用や防犯対策などについては今回頂いた要望をしっかり受け止め、設計にいかしていきたい」と回答した。
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