緑区 文化
公開日:2026.06.18
棋士へ一歩、「奨励会」編入 十日市場小・武井柊一さん
十日市場小学校に通う武井柊一さん(6年)がこのほど、日本将棋連盟の棋士養成機関「奨励会」に編入した。6月12日時点で同機関に所属する小学生は県内で1人。6級からスタートし、昇級・昇段を重ねて四段になると正式にプロ棋士となる。同機関に所属できるのは原則として26歳の誕生日を迎えるまで。武井さんは「中学生が終わるまでに三段に入りたい」と目標を語った。
奨励会に入会するには毎年開催されている入会試験に合格するか、棋士育成機関「研修会」の対局で8連勝や12勝4敗など規定の成績を上げて編入する2パターンがある。武井さんは今年5月、研修会で必要な数の勝利を収め、奨励会への編入を決めた。
新環境で成長意欲
父の影響で小学2年生のときに将棋を始めた武井さん。2年生の冬頃には対戦相手を求めて西区にある「横浜やんけ将棋道場」に通うようになった。休日は道場で大人に交じって将棋を指し、平日は下校後にオンライン対戦に打ちこむ将棋漬けの日々。今年3月に行われた、小学生の頂点を決める「小学生将棋名人戦」では全国3位になるなど、数々の大会で実績を積んできた。
現在は月に2回、渋谷区の将棋会館に通い、同じくプロ棋士を目指す奨励会の会員同士で1日3回の対局に臨んでいる。「空気が全然違う。緊張もするけど対局できるのが楽しみ」と、新しい環境で成長意欲に燃える。実力が拮抗すると「勝てそうなところで相手も粘ってくる」と言い、1回の対局が2〜3時間掛かることもあるという。「これからは体力も重要になってくる」と話す。
戸辺誠七段のもとで研鑽を積む武井さん。譲り受けた扇子には「堅守堅忍猛攻」と書かれている。しぶとく守り抜いて猛攻を仕掛ける戸辺七段のスタイルを武井さんも受け継ぐ。プロ棋士になれるのは年間4人とされ、奨励会に入会できても8〜9割は道半ばで退会になるという。学校では「将棋が強いと知られている」くらいの認識で、ひとり黙々と高みを目指す武井さん。狭き門を突破するため、大きな一歩を踏み出した。
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