２０２４年の幕開きにあわせ、本紙では権藤由紀子旭区長に新春インタビューを行った。権藤区長は新型コロナによる制限が緩和された昨年を振り返りつつ、２０２７年の｢国際園芸博覧会」などについて思いを語った。

未来に向けたまちづくり進展

　――あけましておめでとうございます。２０２３年を振り返り、旭区にとってどんな１年でしたか。

　「区長になってちょうど３年目。昨年は、５月に新型コロナが５類に移行し、地域行事や活動の多くがリアルで再開する中で、『４年ぶり』という声を多く聞き、人と人との交流の場の大切さや、旭区の地域の底力を実感した１年でした。

　３月18日には相鉄・東急直通線が開業し、鶴ケ峰駅付近の相鉄線連続立体交差事業が本格化するなど、未来に向けたまちづくりが進んだ年でもありました。

　また鶴ケ峰が「本当に住みやすい街大賞２０２３」の10位に選ばれたように、旭区の将来性や交通利便性、暮らしのすぐそばに豊かな自然が広がる住環境の良さ、区民の皆様の地域活動への意識の高さといった、旭区の強み・魅力が注目された一年でした」

　――何か印象に残っているイベントはありましたか？

　「どれも素敵な事業ばかりでしたが、こども自然公園を会場に、相鉄と区が共催で行っている『ヨコハマネイチャーウィーク２０２３』は、コロナ前に戻るというよりは、コロナを経験したからこそ、身近な場所にある自然の気持ち良さを感じながら、様々な遊びや体験ができるイベントだったと感じました」

　――運営方針に掲げた目標の進捗状況を教えてください。

　「『子育て世代をはじめ多くの方々に選ばれ続ける「ふるさと旭」の実現』を目標に、「安全・安心」「地域の力」「魅力づくり」の３本柱で取組を進めています。

　例えば、旭警察署と連携し、特殊詐欺対策として、迷惑電話防止機能が付いた機器の貸し出しを始めたほか、最新の防犯・防災情報をメールでお知らせする「あさひ安全・安心かわら版」への登録を呼びかけています。また、愛犬とお散歩しながらマナーの啓発と地域の見守り活動を行っていただくボランティア「旭区わんわんパトロール隊」の募集を、昨年６月から開始するなど気軽にできる地域活動の仕掛けにも取り組んでいます。

　そして、地域課題の解決に向けては、地域の皆様はもちろんのこと、企業・団体・大学といった多様な主体と連携した取組を進めています。例えば若葉台団地では、「誰一人取り残さない」をテーマに、移動支援・多世代交流を目的としたスマートシティサービスの実証実験が、また本宿町・川島町と鶴ケ峰駅間では「あいのりタクシー」の実証実験が始まっています。

　旭区は転入者が転出者を上回る「社会増」を維持しており、令和５年度の市民意識調査(速報値)で、「これからも今の住まいに住み続ける」と回答した方が、市内で唯一８割を超えています。これからも旭区に「住みたい｣｢住み続けたいまち」と感じていただけるよう、取組を進めていきます。

　――国際園芸博覧会に向けて、現状と２０２４年の旭区の取組方針などが決まっていれば教えてください。

園芸博に繋げる魅力発信

　「地元区として、区民の皆様とご一緒に盛り上げていくため、区内74の団体・企業の皆様と旭区推進協議会を立ち上げ、ＰＲや機運醸成に向けた取組を進めています。

　昨年の市民意識調査で、旭区民の75％は「２０２７年国際園芸博覧会ＧＲＥＥＮ×ＥＸＰＯ２０２７」の開催を「知っている」と回答いただきました。更なる認知度向上を目指して、推進協議会の皆様をはじめ、郵便局や金融機関、企業、団体など多くの皆様にご協力いただき、区内を走る車両３００台以上にＧＲＥＥＮ×ＥＸＰＯ２０２７のＰＲ用マグネットシートを掲げていただいています。

　また昨年、初めて開催した「旭オープンガーデン」では、素敵な花壇やお庭を多数開放いただき、多くの皆様に自由に巡っていただきました。今年の「旭オープンガーデン」は、４月19日から５月12日の期間で開催しますので、楽しみにしていただければと思います。

　「環境」をテーマにした横浜初の万博の開催まであと３年。自然や花、緑、農と共存した暮らしの魅力を、区民の皆様に体感していただけるよう、今年も様々な取組を計画しています。

　――区民に向けたメッセージをお願いします。

　「”豊かな自然”と”都市の暮らし”が共存した旭区の魅力を、より多くの方に知っていただけるよう、そして区民の皆様の暮らしをお支えできるよう、引き続き取り組んでいきたいと思います。

　引き続き、区政へのご理解とご支援をどうぞよろしくお願いします。