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公開日:2022.02.24

影取町羽太さん
無花粉ヒノキの苗生産
県の取組みに協力

  • 無花粉ヒノキを抱える羽太さん

 春の訪れとともに多くの人を悩ませる花粉。神奈川県では花粉症対策品種の研究に力を入れており、2012年に全国で初めて無花粉のヒノキを発見した。この品種を普及するため、影取町の羽太喜久雄さんは県から委託を受け、無花粉ヒノキの苗の生産・出荷を行っている。



 丹沢で4074本のヒノキを県自然環境保全センターの職員が調べた際に、発見された無花粉ヒノキ「丹沢 森のミライ」。通常のヒノキと違い、自然にはまず発根しないため、人工的に枝の一部を切り、発根させる「挿し木」という方法で育てられている。



 12年の発見以後、実用化に向けた研究が行われ、19年5月から神奈川県山林種苗協同組合に所属する羽太さんが単独で育苗を開始。2年かけて成長した152本の苗が昨夏、秦野の樹林に植えられた。県によると全国初の無花粉ヒノキ苗の出荷となったという。



 また、この春には羽太さんが育てた無花粉ヒノキの苗90本が出荷され、県立21世紀の森(南足柄市)の中にある「成長の森」に植えられる予定。



市内で2件の苗木屋



 明治〜昭和にかけ、区内西部では苗木の生産が盛んに行われており、羽太さん宅でも祖父の代から苗木屋を営んできた。



 羽太さんによると戦中に荒廃した山を復旧するため、成長が早いスギやヒノキの植え付けが戦後、全国的に急ピッチで進められた。しかし、山林が復旧したことや木材需要の減少、花粉症の流行によるスギ・ヒノキが敬遠されるようになったことなどから苗木屋は年々減少。その流れは県内も同様で横浜市内で2件のみ営業している。



 羽太さんは無花粉ヒノキだけでなく、無花粉スギ、少花粉ヒノキ、少花粉スギを生産し、現在植えられている木々と植え替えをするために日々奮闘。「花粉症で悩む人を減らすためにも、無花粉ヒノキやスギの植樹をしたい。そのためにも、県内の材木を積極的に使用してもらい、植え換えをしていければ」と思いを語った。



植樹作業は一般募集



 「成長の森」での植樹は(公財)かながわトラストみどり財団が主催し、20歳以下の子どもと家族を対象に参加者も募集する。参加費3000円で植樹付近には子どもの名前を記載した銘板も設置されるという。



 申し込みは4月1日から行われる予定。詳細は同財団ホームページから確認を。

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