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〈連載【6】〉鳥畑与一教授に聞く IRと横浜 カジノは負の経済効果

掲載号:2019年11月28日号

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 横浜へのカジノを含むIR(統合型リゾート)誘致について静岡大学の鳥畑与一教授(61/金融論)に話を聞いた。



 横浜市が誘致するIRはMICE、宿泊施設などの面積が97%でカジノは3%以下。しかし、非カジノ施設の利益率は低く、高収益のカジノがないと成立しない。非カジノ施設を使って集客し、カジノに誘導するのがビジネスモデル。カジノで儲けるために97%の施設があるということだ。

市民負担の懸念

 林市長は誘致で年間1200億円の増収が期待できると話したが、納付金収入は事業者の粗利益の15%だ。この数字はカジノで8千億円近い儲けがないと達成できない。シンガポールのマリーナベイ・サンズの昨年の収益が約22億ドルなので、3倍強の規模。かなり背伸びをした印象だ。

 仮に売上が思惑通りだと、市民らが相当負け、ギャンブル漬けにならないとこの数字は成り立たない。一方、想定通りの売上がなかった場合は、事業者と結ぶ実施協定により、自治体が損失補填をするかもしれない。どちらにしても市民の負担となる懸念がある。

 カジノ客の8割は国内客と見られ、本来は地元で使われるべきお金がカジノに吸い込まれ、消費力が奪われる。また、事業者はIR内で安く宿泊・食事を提供する等の優遇サービスで客を囲い込むため、IR以外のホテルやレストランは価格面で不利となる。カジノはマイナスの経済効果をもたらす可能性も高い。

リスクの情報提供を

 アメリカの依存症調査によるとカジノ周辺地域の人ほど常習者になる。入場料の6千円はターゲットとなる中間所得層、富裕層などから見ればハードルにならない。依存症が増えれば、失業や家庭崩壊による生活保護費が増加するほか、犯罪が増えて治安維持費もかかる。これら社会的コストが、自治体の負担としてどのくらい転嫁されるのかも含め、負の影響を評価する必要がある。

 色々な問題を引き受けるのは市民。IR誘致でどんなリスクを負うか、市は情報提示し、議論して市民が判断すべきだ。
 

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