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公開日:2025.09.15
核廃絶へ 高校生が署名集めて国連に提出
平和大使・青栁さん「今しかない」
核兵器廃絶や平和な世界の実現を目指して活動する神奈川県内の高校生が集めた署名が9月2日、スイス・ジュネーブの国連軍縮本部に届けられた。代表として署名を届けた「高校生平和大使」の青栁潤さん=逗子開成高校1年=は、「高校生が声を上げないといけない」と危機感をあらわにしている。
高校生平和大使は、全国の平和活動団体が1998年から国連に派遣しているもの。神奈川県では、県立高校の教職員らによる派遣委員会が2005年から生徒を送り、署名集めなどを通して核廃絶を訴える。今年度は5月に選考があり、約20人の中から青栁さんが大使に選ばれた。全国では18都道府県から24人の大使が選ばれている。
「核による平和は成り立たない」
青栁さんや大使選考に応募した生徒は平和活動を行う団体「Peace Peace Peace」のメンバーとして、県内の駅頭で署名活動を行ってきた。8月30日に桜木町駅前で行った活動で青栁さんは「核による平和は成り立たない。高校生が声をあげないといけない状況になっている。今しかタイミングはない」と力強くマイクで訴えた。この日は原田咲希さん=フェリス女学院高校2年=、小野木七海さん=聖セシリア女子高校2年=、浅井柊香さん=自修館中等教育学校5年=も参加し、署名を集めた。
青栁さんは全国の大使とともに9月1日にジュネーブに入り、2日に神奈川県からの2007筆を含む、11万1071筆の署名を国連軍縮本部に提出。軍縮会議を傍聴し、軍縮会議日本政府代表部の市川とみ子大使とも面会した。帰国した青栁さんは、10日に県庁で行われた記者会見で「現地ではジェンダーの視点から核廃絶を訴える人もいて、広い視野を持つことが大切だと感じた」と振り返った。
長崎で痛感した「平和教育」の差
「Peace―」のメンバーは8月上旬に長崎を訪れ、現地で平和活動を行う高校生と対話した。その中で学校に「平和学習部」があったり、原爆の日である8月9日は学校登校日で、平和について学んでいることを知った。日常的に平和学習が行われている状況に、メンバーは「神奈川とは大きな差がある」と感じたという。小野木さんは「先生にも働きかけていくことが大事」と話した。青栁さんは「学校で平和教育を行う出前授業を行いたい」と今後の目標を掲げる。
核兵器が日本で使われてから80年が経過。核兵器を持つロシアのウクライナ侵攻は依然として終結が見通せない。青栁さんは「日本ではウクライナの報道が減り、関心が薄くなっている」と懸念する。核兵器禁止条約に署名・批准しない方針の日本政府には「難しい立場ではあるが、核兵器禁止条約の締約国会議にオブザーバー参加さえしなければ、日本は世界の中で孤立してしまう」と指摘。これからも平和を目指す活動を続けていく。
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