不器用を受け入れ成長

　○…自宅でアゲハチョウの飼育を始めて10年。１００匹以上を育て、自然に還してきた。その体験談を永田台小学校の児童に話し、命の大切さを教え伝える。「育てたアゲハチョウは我が子のようにかわいい。自然に返す時は、実家を離れる子どもを見送る母親の心境だね」と微笑む。

　○…高校卒業後、看護師になる夢を叶えるべく専門学校に進学した。自身を「不器用な人間」と認識し、資格勉強では、覚えられないことを書き出し、自宅の壁に貼って頭に入れた。「背伸びをしないで、できない自分を受け入れることが成長につながる」ときっぱり。20代前半で結婚し、子育てと仕事を両立する中、童謡などの音楽に合わせて体を動かす健康体操の指導者資格を取得。看護師、健康体操の講師としての経験を生かし、今は高齢者でもできるラダーを使った運動を永田南の長者ケ谷公園で教えている。「できない」という気持ちが理解できるからこそ、参加者が動きをマスターできるまで指導し、優しく寄り添う。

　○…相模湖の近くで生まれ育ち、動植物が身近だったため、結婚を機に移り住んだ緑豊かな永田のまちに愛着を持つ。南区との境にある保土ケ谷区の児童遊園地がおすすめのスポットだと言い、四季の変化を楽しむ。南区在住55年で生まれた地元のつながりが多く、行きつけの喫茶店「ぱぁら〜泉 六ツ川店」で至福のひとときを過ごし、マスターと何気ない会話で盛り上がる。

　○…80歳とは思えない若さの秘訣は「ストレスフリーな生活」を送ることで、地域活動も元気の源になっている。「前向きな気持ちでいると体調が上向きになる」とにっこり。辛抱強さとポジティブさを生かし、次なる命を育て、まちの自然を守っていく。