ハングリー精神で夢実現

　○…７月に初めて行われた大会で優勝し、初代チャンピオンになった。優勝の喜びを語るが、「技の精度など、まだまだ未熟な部分もある」と慢心は見られず、動画に収めた自身の演技を繰り返し確認。相手を敬うという空手道精神を重んじ、研鑽の日々を送る。

　○…群馬県出身。「母を守れる人になりたい」という純粋な思いから、小学１年で空手を始めた。地元の公立高校を卒業し、駒澤大学に進学したが、３年時に半月板損傷の大けがを負った。つらいリハビリを乗り越える原動力になったのが母・由紀子さんの存在。「母子家庭で経済的に苦しい中、きょうだい３人に好きなことをやらせてくれた。ここで諦めるという選択肢はなかった」と奮起し、社会人になった今も空手に没頭する。「バカになれ」がモットー。「昔ながらの考え方になるかもしれないが、『やってやる』という気合が目標達成の土台になる」ときっぱり。大学卒業後、警察官になるための浪人生活もこうした考え方ができたから乗り越えられたという。

　○…現在は六ツ川交番に勤務し、子どもの笑顔がまちの平和を守る原動力になるという。ゆくゆくは生活安全課で人身安全の業務に携わりたいという夢を持ち、「ＤＶや児童虐待に苦しむ人の役に立ちたい」と思いが熱い。「一人で子育てをする母の苦労を子どもながらに見て感じた。弱い立場にある人を守れるような警察官になりたい」

　○…生まれてから幼稚園のころまで別所に住んでいたこともあって、「横浜はどこか懐かしいまち」と語る。休日にみなとみらいなどを散策し、気分転換を大切にする。体重63kgをキープするために食事には一層気を付けているが、たまに食べる菓子やラーメンが「ご褒美」と微笑む。