感謝込め、地域活性へ

　○…南永田団地に住んで43年、４児を育てた。永田みなみ台の街並みは変わったというが、「地元のつながりを大切にする土地柄は変わらない」ときっぱり。３年越しの開催となった永田台小の６年生を送る会では、団地仲間とともに約50人分のカレーライス作りに奔走した。「娘たちも永田台小に通って、先生方にお世話になった」と話し、恩返しの気持ちで送る会を企画したという。

　○…団地に移り住んですぐに産まれた長女に知的障害があり、30歳のころ、南区在住の障害児者の保護者らによる団体「泉の会」に入った。障害児の居場所づくりに取り組み、永田南の地域活動支援センター「ぽれぽれ」の立ち上げなどに携わった。「活動することで周囲が障害への理解を深めてくれてうれしかった」とやりがいを語る。南区総合庁舎内にあり、地域作業所で作られた菓子などを販売する「にこにこみなみ」のボランティアに今も参加する。

　○…南区役所によるまちづくりを担う人材を育成する講座「寺子屋みなみ」に参加し、団地の再生などを目指す運営委員会を自治会会長らとともに７年前に設立。２０１８年にＮＰＯ法人「永田みなみ台ほっとサライ」に改め、４年前から理事長を務めている。19年に団地の商店街の空き店舗に交流カフェ「サロンほっとサライ」をオープンし、住民がつながりを育む拠点になっている。「子どもと高齢者の交流もあり、ほっこりする」

　○…１９９９年から続けた団地の管理事務所のパートを３月で引退する。これからは歌手の藤井風さんの「『推し活』に専念する」と笑う。「インドアの夫にアウトドアの良さを理解してもらい、一緒にいろんな場所に行きたい」といい、地域活動とともにセカンドライフを謳歌する。