｢わくわく感｣ みんなで共有

　○…11月18日、蒔田中学校の吹奏楽部による音色が公園を包み込んだ。コロナ禍で希薄化した地域のつながりを紡ぎ、生徒が練習の成果を発表する機会になった。「町内会の男性陣が中心となってステージ作りを手伝ってくれるなど、皆さんの協力あっての成功」と感謝の気持ちを伝える。

　○…中島町で生まれ育った。いじめられっ子を率先して守り、中里周辺でザリガニ釣りに没頭するなど、子どもの頃から正義感が強くて活発な性格は変わらない。児童の登下校を見守る「蒔田っ子学援隊」の立ち上げに携わり、「犯罪が起こりにくいまちづくり」を掲げる。子どもだけでなく、道行く人にあいさつを交わす。「知らない人にこそ、積極的にあいさつするように心掛けている。数日後、顔見知りになる瞬間がうれしい」とやりがいを語る。

　○…今は女性部部長を務めるなど、町内会の中枢メンバーだが、30歳で蒔田町に移り住んだ頃は子育てに追われて地域に目を向ける余裕がなかったという。そうした実体験を踏まえ、子育て世代が気軽に町内会の活動を楽しめる雰囲気づくりを進める。未来のまちを担う若者の懐に入ろうと、ＬＩＮＥなどを使いこなしてコミュニケーションを図る。「３人の孫とも友達みたいな関係だし、年齢は気にしない」といい、誰に対しても同じ目線で向き合う。「次世代の育成が私の役目。若い世代に受け入れてもらえるように振る舞いたい」

　○…「住民が助け合う町内会」の完成形を目指す。地域通貨を用い、電球の交換などの生活の困り事を身近な人に解決してもらうという取組を行う自治体に注目。「第二町内会でも似たような取組ができたらいいな」と期待を膨らませる。「わくわく感を覚えるまちにしたい」と思いが熱い。