神奈川区 社会
公開日:2026.10.22
<デスク・レポート>原澤新市長 信頼回復の具体策を
▼前市長がパワハラ問題で辞職したことに伴う横浜市長選で新人の原澤敦美氏が約55万票を獲得して初当選した。7人が立候補し、原澤氏の得票率は約4割。次点に約32万票差をつける圧勝だった。航空整備士から弁護士という異色の経歴で、経済界有志の出馬要請を受けて立候補を決めた。選挙の経験はなかったものの、自民党をはじめ、公明党、日本維新の会、国民民主党といった各党の支援を受けたことが圧勝につながった。
▼市では来年度予算案の策定作業が始まっている。原澤氏には、生活に直結する政策をどう前に進めるかが早くも問われている。政策推進の前提として、前市長のパワハラで揺れた市役所組織の立て直しと市民からの信頼回復が欠かせない。選挙戦で原澤氏が訴えていたように、あらゆるハラスメントを許さず、職員の声がトップに届く、風通しの良い職場環境を早急に再構築することが必要だ。安心して仕事に取り組める体制づくりの具体策を示してほしい。
▼市の人口が減少局面に入る中、財政は臨時的な財源に頼らざるを得ないほど厳しさを増している。教育や福祉など、生活に欠かせないサービスを維持しつつ、歳入の確保も求められる。原澤氏は「成長産業の誘致や企業立地支援を進め、税収基盤を強化する」と訴えていたが、取組が形になるまでには時間がかかる。任期中にどの段階まで進めるのか、数値を交えて明らかにすべきだ。
▼今回、原澤氏は市会最大会派の自民党など、4党の支援を受けた。市会で4党の議員は計60人に上り、全体の約7割を占める。各党からの要望を受けつつも、合意形成を図る中で、自らの政策や独自色をどこまで強く打ち出せるかが焦点となる。もちろん、市長選で他の候補を支援した政党やそれ以外の議員からの声にも耳を傾ける必要がある。原澤氏が弁護士としての法務の知識や企業の社外取締役として培った経営の知見を市政に取り入れ、市民や議会と誠実に対話することを期待したい。市民もその様子を常にチェックしていかねばならない。
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