川崎市は3月、自転車道などを整備することで市民が安全・安心で快適な道路利用ができるよう、「川崎市自転車ネットワーク計画」を策定した。今後10年間で、自転車利用者が多い駅を中心に213Kmまで通行環境整備を行う予定だ。
同計画では自転車が安全に走行できるように一部だけでなく広い範囲での通行環境整備を行う。それによると自転車利用者が多い川崎駅など市内15駅と川崎区殿町地区周辺を対象区域に選定。各駅を中心に半径1Kmの範囲を地域自転車ネットワークに設定している。
さらに市内全域に展開するため地域自転車ネットワーク間を結ぶ広域自転車ネットワークと、多摩川サイクリングコースを基軸にした観光自転車ネットワークも構築する。
整備形態は国のガイドラインに沿い、「自転車道」「自転車専用通行帯」「車道混在(矢羽根+ピクトグラム)」と、市のオリジナルの「安全啓発」の4種類。自転車道や専用通行帯を整備できる十分な道幅の車道が少ないため、車道の端に青いペンキで矢羽根を描き、自転車の通行位置を示す車道混在がメインとなる。
市建設緑政局自転車利活用推進室によると、2015年度に「川崎市自転車通行環境整備実施計画」に基づき整備。その際も車道混在での整備が多かったが、16年から17年の年間平均事故件数は整備前5年間(08年から12年)より、約55%減という。このことからも一定の効果が期待できるという。
整備は29年度末までに、既に整備した区間を含む、総距離213Kmを予定。各駅周辺の自転車関連事故、自転車利用者数、乗降客数などをもとに優先順位をつけ進める。
矢羽根の幅に注文
同計画に対し、川崎市内で活動し「自転車ルール教本」の発行もしている市民団体「持続可能な地域交通を考える会」の井坂洋士さんは「市の計画では矢羽根の幅を道路事情で狭くするところがあるが、それだと車道が怖く、歩道を走ってしまうなど、せっかく整備しても実効性に疑問符が付く」と指摘する。
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