川崎市は、道路や公園の損傷について市民がスマートフォン等から通報できる仕組みの実証実験を行っている。受付件数は開始約3カ月で24件にとどまっており、効果や課題検証のため、実験終了の3月末まで利用拡大に取り組んでいる。
これまで、公共物の損傷通報は各区にある道路公園センターへ電話受付のみ。土日や祝日などは市民が発見してもすぐに通報できなかった。市が昨年11月から取り組む実証実験では、スマートフォンやパソコンからメールフォームで通報を受付。通報手段を増やすことで損傷を早期発見し、事故防止や道路環境向上を図ろうと利用を呼びかけている。
通報対象は舗装のはがれや道路の陥没、カーブミラーや標識、防護柵の損傷など道路に関するもののほか、公園の遊具や水飲み場、河川の護岸損傷など。実証実験の受付件数は2月末時点で24件、多摩区では3件だった。電話のみだった2018年度の受付総件数は2万6947件。実験での通報は市の担当者の予想よりも少なく、このままでは検証が難しい可能性もあるという。利用者からは「画像は送れないのか」「位置情報もデータで送りたい」などの声も。また国道や私道等、市民にとって管理者の見分けがつかないなど課題もある。市担当者は「市の管轄ではない損傷の通報に関しても、警察や担当部署へ引き継いでいる。自転車やオートバイの転倒の原因、遊具の劣化は幼児の命に関わる事故につながる可能性もある。皆さんに協力してもらい、早期に対応していきたい」と話している。
詳細は市ウェブサイトへ。(問)市建設緑政局【電話】044・200・2783
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