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多摩区・麻生区 スポーツ

公開日:2024.01.01

ボクシング
日本、そして世界の頂へ
伊佐春輔さん(25) 川崎新田ボクシングジム

  • サンドバッグを打ち込む伊佐さん=12月18日、川崎新田ジム

    サンドバッグを打ち込む伊佐さん=12月18日、川崎新田ジム

  • ファイティングポーズをとる伊佐さん

    ファイティングポーズをとる伊佐さん

 日本ミニマム級のベルトをかけ、3月に東京・後楽園ホールで初めてのタイトルマッチに挑む。相手は自身4度目の対戦となる王者・高田勇仁選手(ライオンズボクシングジム)。2021年7月に、若手選手のためのタイトル「日本ユース」(ミニマム級)の第2代王座をかけて戦ったときは判定勝ちを収めたが、直近では22年7月にKO負けを喫しており、対戦成績は1勝2敗と分が悪い。「いつかリベンジしたいと思っていた。圧勝したい」と力強く抱負を語る。

小学校で不登校に

 中野島小学校、中野島中学校出身。近所の公園をきょうだいと駆け回る少年だったが、性格は内気で人付き合いはうまくなく、友だちに対して自分から声をかけることはあまりなかった。勉強も嫌いで、小学4〜5年のある日、学校を休むと、翌日から行きづらくなり登校しなくなった。

 中学の3年間は「ゆうゆう広場たま」(適応指導教室)に通った。卒業を間近に控えたとき、「自分は今まで何もできていない」と考えた。テレビでよく観ていた格闘技に興味があり、近隣にある川崎新田ジムに入会。高校は向の岡工業の定時制に進み、午前中にアルバイト、午後はジムでトレーニング、夜は学校で授業というハードな生活を過ごした。「ボクシングで強くなって活躍したい、学校生活もやり遂げたいという気持ちが芽生えた」と振り返る。

 最初はお試し感覚で始めたボクシングに夢中になり、いつしか「プロになりたい」という思いが膨らんだ。ジムの関係者が優しく迎え入れてくれたことも大きかった。毎日欠かさず練習に通い力をつけた。「努力し続ける能力はあったのかも」と微笑む。デビューは高校3年。ジムの興行で後楽園のリングに上がり、4ラウンドKO勝ちを収めた。

スピード生かす 

 159cm・50kg。フットワークを生かしたスピーディーなボクシングが持ち味。武器は右ストレート。戦績は19戦13勝(2KO)5敗1分。現在、日本ミニマム級1位に位置している。

 昨年12月3日にカルッツかわさきで行われた試合では、タイの選手を相手に3対0で判定勝ち。「タイトルマッチ前哨戦」と位置付けた一戦を制して次戦に弾みをつけたかに見えたが、本人は「倒すことを意識しすぎて力んでしまった。KO勝ちしたかった」と浮かない顔。それでも課題を受け止め、大舞台に向け対策を練っている。

 やりたいことをさせてくれている親、ジム関係者、育ててくれた地元。「感謝してもしきれない。日本タイトルを取り、ゆくゆくは世界のベルトを地元多摩区に持ち帰って恩返ししたい」と強い決意をにじませた。

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