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多摩区・麻生区 人物風土記

公開日:2026.06.19

「水辺のある里山を守る会」の副会長で、同会の写真集の撮影を主に手がけた 窪田 迅郎(はやお)さん 麻生区片平在住 76歳

  • 窪田 迅郎(はやお)さん (写真1)

少年の心で写す「今」

 ○…谷戸の湧き水を水源とし、希少な生物や植物が生息する「黒川よこみね緑地」。保全活動を行う「水辺のある里山を守る会」に所属し、20年にわたってその豊かな自然をカメラに収めてきた。会として発行した写真集に、多くを収録。「記録としてきちんと残していくことが、環境保全にもつながる。良いものができた」と出来栄えに自信をのぞかせる。

 ○…東京都北区出身。東京タワーはまだなく「東京湾や筑波山が見渡せた」桜の名所として知られる飛鳥山で、昆虫を追いかけた少年時代。小学生の頃移り住んだ相模原市の、畑や雑木林が広がるのどかな景色も忘れ難い。カブトムシやクワガタが「いくらでもとれる」自然を満喫する一方、ベトナム戦争のさなかで、厚木基地から軍用機が四六時中頭上を飛ぶ特殊な環境にいた。開発が進み、ほどなく雑木林は住宅地へ。「今」を記録する思いは、変わりゆく風景を目の当たりにしてきた経験に由来する。

 ○…高校時代に初めて自分のカメラを手に入れ、身近な植物を撮影してきた。大学で登山を始め高山植物を撮って回った。理科の教員として勤め、住んでいた伊勢原市で丹沢や大山の生き物の調査を手がけるなど、自然の記録はライフワークに。麻生区に越して20年ほど。副会長を務める同会では児童に自然教室も実施。「森の中で遊ぶ体験を通じて、活動を若い世代につなげていきたい」と切に願う。

 ○…自宅近くに借りた畑に通うのが日々の楽しみ。生長を見守り、収穫するのがうれしい。「キュウリ1本でもやった、と思う。畑はいいですよ」。近隣に住む娘家族に野菜を届けることも。「自然を相手にするのが一番楽しい」。屈託のない、少年時代の笑顔が垣間見えた気がした。

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