区内振り込め詐欺 被害額昨年超える 幸警察署が注意喚起
幸区内で発生した振り込め詐欺の件数と被害額が8月時点で昨年の年間総額を超えた。限度額が設けられた口座振り込みではなく、被害者から直接手渡しさせる手口が増えているのが特徴で、幸警察署では市民に注意と協力を呼び掛けている。
幸警察署(山形暁署長)によると今年1月から区内で発生した振り込め詐欺の件数は10件(8月15日時点・うち未遂が1件)で昨年1年間の7件を大きく上回っている。被害額は約2730万円で昨年の約1300万円をすでに超えた。最大の被害額は500万円だった。
神奈川県内の発生件数も625件(昨年515件・未遂含む)、被害額は約20億5600万円(約13億5100万円)と昨年を上回っている。
被害者拡大の背景には犯行グループの手口の巧妙化がある。昨年までは架空請求が多かったが今年に入り、息子などを名乗り、犯人側が直接金を受け取りに行く「手渡し型のオレオレ詐欺」が増えている。上限が設けられている口座振り込みと異なり、直接手渡しのため、1件当たりの被害額も増加しているのだという。
実際にあった例としては、「会社のお金が入ったカバンを紛失してしまった」や「女性を妊娠させてしまったので中絶費用が必要」、「株で大失敗してしまい穴埋めがする費用が必要」など。警察官や駅員を装って電話や直接被害者宅を訪問し、被害者を信用させるケースもあった。
同署の稲葉弘行副署長は「70代女性の被害者が多い。ほとんどの方は振り込め詐欺のことは知っていたが『まさか自分が騙されるわけがない』と思っていた。多額のお金が急に必要になったなどの電話があった際は、まずは振り込め詐欺を疑う必要がある。生年月日や携帯番号などで本人確認が取れない場合は、すぐに警察に連絡してほしい」と話している。
同署では、区内の金融機関と連携を図るとともに、前兆電話があった地域を中心に、金を受け取る役目を果たす「受け子」発見に向けた職務質問を強化。犯行グループの摘発に力を注いで行きたいとしている。
不審な電話があった場合の通報や相談は幸警察署(【電話】044・548・0110)へ。
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