放火が原因となる火災が、昨年の同時期に比べ区内で増加していることが、幸消防署(村上公憲署長)への取材で分かった。上半期だけで昨年1年間の発生件数に迫る勢い。同署では「放火されない環境づくに取り組んでほしい」と注意を呼び掛けている。
幸署によると、今年(1月から6月22日現在)の幸区内での、火災発生件数は31件で昨年より11件増加している。うち放火は8件(前年の同時期より4件増)で昨年1年間の発生件数12件に迫る勢い。
6月14日には、南加瀬3・4丁目付近で午前1時から2時頃にかけて、連続4件の火災が発生。いずれも放火でゴミ置き場にあるネットが燃やされた。
同署によると、「被害地が1キロ圏内で時間帯も集中していることから、同一犯の可能性が高い」と見ている。幸警察署も複数犯の可能性も視野に、目撃情報などから捜査を進めている。また、その他地域でも不審火が原因の火災が発生しており、同署では「疑いも含めると放火の火災はさらに増えるのでは」と見ている。
6月22日現在での市内の放火件数は57件で昨年の同時期より2件増加している。麻生区と中原区は、幸区と同様に昨年のペースを上回る10件(前年の同時期9件)と9件(同4件)の放火が発生している。
放火は市内の原因別火災発生状況で39年連続トップ。こうした状況を踏まえ、市内の消防署を管轄する川崎市消防局では、今年3月に川崎市のご当地アイドル「川崎純情小町☆」を放火火災防止広報大使に任命し、あの手、この手で放火予防に取り組んでいるが、発生件数が増加してしまっている状況に、幸署では「非常に残念」と話している。
放火されない環境づくりを
昨年も4件連続放火が発生した夏から秋頃を前に、幸消防署の村上署長は「ごみは収集日以外に出さない、家の周りに可燃物を置かない、倉庫には鍵をかけるなど、放火させない環境に取り組んでほしい。地域の力が火災予防には大切になる」と区民に注意を呼び掛けている。
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