2024年の市制100周年に向け、御幸公園に「小向梅林」を――。かつて明治天皇も観賞した幸区の名所の復活に向け、幸区役所が動き始めている。今年度区の新規事業として459万円を計上。わずかに残る古木の植え替えなどを行いながら、本数を増やしていく計画だ。
幸区役所によると、小向梅林の始まりは江戸時代前期。市民によって今の御幸公園付近を中心に植えられていった。全盛期には約30ヘクタールほどの梅林が広がっていたとされ、有数の観梅の地としても知られていた。
1884年には、評判を聞いた明治天皇が同地を行幸。これを記念して89年に、小向村など複数の村が合併した際に、天皇の外出を意味する「御幸」を村名にした御幸村が誕生した。幸区の由来ともなっている。
しかし、現在では高さ5メートルほどの白加賀梅の古木が50本ほどあるのみ。記念碑の周りは雑草が生い茂り、当時の梅林は見る影もなくなっている。明治天皇が訪れたことを記念してつくられた記念碑があることすら知らないという住民も少なくない。
区役所では、区の魅力向上、地域資源を生かした新たな街の交流拠点の創出を目指し、9年越しの梅林整備事業を計画。初年度は459万円を計上した。今年は同公園内にある記念碑の周りを中心に、梅の補植を実施していく。合わせて、同公園全体の整備も進めていくという。2024年の市制100周年に合わせて「小向梅林」の復活を目指していく。
管理する道路交通センターの担当者は「9年かけて再生させるという長い取り組み。地域の意向を踏まえながら、当時を彷彿とする綺麗な梅林になるよう進めていきたい」と語った。また公園を訪れていた古市場に住む女性は「みんなの憩いの場となるような場所にしてほしい」と話した。
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