真宗大谷派平間山稱名寺(本多和住職/下平間183)は14日、「忠臣蔵」で知られる赤穂浪士の遺品を稱名寺庫裡で一般公開する。稱名寺では、例年討ち入りの日と同日に、大石内蔵助が描いた掛物などを公開しており、多くの市民やファンが鑑賞に訪れる。
一般公開されるのは、大石内蔵助が描いた梅花などの掛物、おかめの面といった愛蔵品のほか、四十七士愛蔵の銚子や盃、書簡などの遺品17点。
中には、江戸時代(1744)の作品で、後世寄進された掛軸「紙本着色四十七士像」もある。四十七士像は大石内蔵助を頂点に、赤穂浪士四十六士が左右に描かれており、1985年に川崎市重要文化財に指定された。
稱名寺のある下平間は、「忠臣蔵」で有名になった大石内蔵助とその一行(赤穂浪士)が討ち入り前に、10日ほど滞在したとされており、赤穂浪士ゆかりの地と言われている。
稱名寺の向かいには当時、江戸赤穂藩と親交が深く信頼のおける軽部五兵衛という人物の屋敷があった。京都を発った一行は多摩川を渡って江戸に入る前に、屋敷で休息を取り討ち入りの準備をしていたという。
赤穂浪士の遺品はのちに、今はなき軽部邸の前にある稱名寺に寄付され集まったものと考えられている。本多住職は「遺品をお寺に預けるということは、後世に残しておきたいと気持ちがあったのだと思う。貴重な品を子どもから大人まで多くの人にご覧いただきたい」と話している。
稱名寺の源流は832年、真言宗の寺院として建立したことに始まる。鎌倉時代に浄土真宗へ改宗し、現在は真宗大谷派(東本願寺)の寺院となっている。
本多住職は「歴史は重く、お寺に関係する方々や門徒とともに成り立ってきている。地域のお寺としては、このような機会を通して多くの方に山門をくぐっていただきたい」と話している。
公開時間は午前9時半から午後4時まで。問い合わせは稱名寺(【電話】044・511・1674)へ。団体(10人以上)での来場は事前に団体名、来場時間の連絡を。
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