さがみはら中央区版 掲載号:2016年1月1日号
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出会い、経験が「個性」を生む

文化

相模原育ち 俳優・六角精児さん

 「〜のようですなぁ」。ドラマ「相棒」の鑑識課員・米沢守の口癖だ。演じているのは、俳優の六角精児さん(53)。数々のドラマや舞台、映画に出演する一方、鉄道愛好家、ミュージシャンとしても活躍するなど、マルチな顔を持つ。2009年には、「相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿」で映画初主演。個性派の俳優としてお茶の間を惹きつけている。

「俳優を志してはいなかった」

 兵庫県出身の六角さんは、小学1年生の頃、父親の転勤の都合により相模原市に移り住んだ。小さい頃は辺りを自転車で駆け回るような活発な少年であったといい、「実家の東林間のまわりはその頃、野原や森が多くて、遊ぶところには困らなかった。番田や下溝あたりを通って、よく自転車で相模川に『探検』しに行ってましたよ」。そんな多感な少年時代を経て厚木高校に進学した六角さんは、「楽そうな部活だったから」と演劇部に入部。「特に俳優を志していたわけではなかったんです。すぐに辞めようと思っていましたから」。だが、そこで転機となる出会いを果たす。同じ部活の一学年上に、現在、演出家・劇作家として活躍する横内謙介さんがいたのだ。卒業後はその横内さんに誘われる形で、劇団「善人会議」の旗揚げに参加。こうして、演技者の道へと一歩を踏み出した。

「出会い」が原動力

 「人との出会い」が、自らの原動力になっていると断言する。社会に出てから出会った人、厳しく接してくれた人、助けてくれた人、様々な人との出会いによって経験したものが、各々の「個性」を形作る。どんなことにも一生懸命に。それも、六角さんの「個性」だ。多彩な仕事をこなすほか、バンド活動や乗り鉄、ボクシング観戦など多趣味な面も有名で、今でも自分の趣味を追い求める日々。「最近凝っているのは、嫁が働くおでん屋に行って、お酒を片手におでんを頬張ること。食生活を気にしてね。嫁が働いているそばで旦那が飲んでいるって、なんか面白いでしょ?」

相模原は「原点のよう」

 多忙を極める六角さんだが、たまの休みを見つけてはふと相模原に戻ることもあるという。「この間、地元の餃子屋で腹一杯食べすぎて。散歩がてらふらふら歩いていたら、いつのまにか上溝に着いちゃってね。途中相模原公園にも寄ったりなんかして」。中学の同級生が経営する東林間の居酒屋にもよく顔を出すといい、地元の繋がりを今でもとても大切にしているという。「同級生や昔の友人らに会うと、あっという間に距離が縮まる。これが不思議。どんな職業だろうが、関係ない。原点のような付き合い方ができるんです」。相模原の地を歩くとき、ふと思い出すのは学び舎であった古い校舎、古い体育館、近所の風景。他の地では味わえない、様々な記憶が蘇ってくる。「同級生らと昔を懐かしむ瞬間が持てること。地元が近くにあること。そんなことが、今の自分にとって本当にありがたいですね」。「地元への感謝」の言葉を、何度も口にした。

「無駄を恐れず経験を」

 こうした相模原で得られた豊かな経験や知識、歩んできた半生を外部に伝える形となったのが、市内の小・中学校教員を志す人を育てる「さがみ風っ子教師塾」での講義。実姉が教師を務めている縁から、引き受ける契機となった。そこでは、多くの人と出会い養われた自身の「個性」、俳優業などで得た様々な「経験」をもとに、教育者としての心構えを説いた。「子どもに何かを教えるとき、実際に経験をしてきた人の方が伝わるもの。先生にも経験が必要。無駄を恐れずに、自分の殻から飛び出して多くのことを経験してください」。これから社会に羽ばたく教師の卵たちに、そう伝えた。子どもたちの未来を担う「個性」溢れる教育者の輩出を願って。

 多くの人と関わり、酸いも甘いも、喜びも苦しみも様々に経験してきた過去を経て、今の「個性」が形作られた六角さん。これから挑戦していきたい事とは。「特にないですよ。どんな仕事であれ、自分にオファーが来たということは、自分にやってもらいたいということ。それをこなす中で、またその繋がりの中で見つかることがある。見つからないこともある。けどそれでいい。そこで全力をつくす自分でいたいんです」

 最後にメッセージを問われると、はにかみながらこう答えた。「仕事にしろ、生活にしろ、人とかかわる中でも心の余裕を持ちたいですよね。せっかく生まれてきた個性だから、自分を大切に、どんなことにも楽しみを見出して、やっていきたいですよね」

笑顔で取材に応じる六角さん
笑顔で取材に応じる六角さん
ドラマ「相棒」でのワンシーン
ドラマ「相棒」でのワンシーン

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