東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会まで1年を切った。市内在住のパラアスリート、鹿沼由理恵さんがこの夏、市内の小学校42校や子どもセンターを走って回り、集めた応援メッセージ付きのタスキをひっさげ、マラソン日本代表に挑戦する大迫傑選手、関根花観選手(いずれも金井中出身でオリンピアン)に熱いエールを送った。
前回の2016年リオデジャネイロパラリンピックに出場し、自転車競技タンデム個人ロードタイムトライアル(視覚障害)で銀メダルを獲得した鹿沼さん。同大会の代表内定後、両腕にしびれや痛みを発症した。「治療すると代表の可能性がなくなる」と、痛み止めを飲んで本番に臨んだ。後に両腕の神経まひと診断され、大会後に治療に臨むも、手術後の感染症に悩まされ、左腕を切断した。トライアスロンでの東京大会出場を目論んでいたが断念。「そんな自分に何ができるのか」。自問し、出した答えが「応援者」となることだった。
この7月から9月に、市内42校の市立小学校と5つの子どもセンターを走って回った。各所で再びオリンピック出場を目指す2人への応援メッセージを書いてもらったタスキを回収。「途中雨が降ってきたりして大変な日もありました。でも児童たちが応援してくれて力になりました」と鹿沼さん。タスキは7色用意され、応援イベントで使った後、「虹」にして会場に飾るという。「2人を応援するとともに、地元にオリンピック選手がいるということ、直に応援できるというのがすごいということを子どもたちに伝えたかった」と意義を話す。自分の姿をみてもらい、障がい者と健常者の垣根も取り払いたかった。
代表の座をかけて
2人が五輪代表の座をかけて出場するマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)は9月15日(日)、都内の本大会とほぼ同じコースで行われる。市では当日、町田市立陸上競技場でパブリックビューイングや関連イベントを企画している。
イベントでは事前に応募した一般参加者150人がそれぞれ200m、400m、800m、1000mのいずれかを走り、タスキをつないでマラソンと同じ42・195Kmを走る。鹿沼さんも参加する予定だ。また、桜美林大学、法政大学、国士舘大学の駅伝部の学生42人が、それぞれ1Kmずつ、マラソン男子のトップのスピードに合わせてタスキリレーを行う。「トップは2時間10秒30くらいかと想定しています。観覧者にはそのスピード感を味わってもらいたい」と市の担当者。
MGCは、男子が午前8時50分、女子が9時10分にスタート。
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