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町田 人物風土記

公開日:2024.01.18

母校の桜美林高校・野球部を甲子園へと導いてきた、3月に教員を退職する
片桐 幸宏さん
根岸在住 65歳

心理学び、聖地へ導く

 ○…監督、部長として、母校である桜美林高校野球部を甲子園へと導いてきた。その数は春夏大会で計4回。全国から有力選手を集める強豪校が少なくないなか、地元町田周辺から集まったメンバーの力を最大限に引き出すことを念頭に心理学を学び、自主的に野球に取り組む選手を育ててきた。指導者の道を歩んで40年以上。常に選手のことを考える毎日だった。

 ○…主将としてチームを引っ張った1976年には甲子園夏大会で初出場、初優勝の快挙を果たした。予選を勝ち抜くたびに自信を高め、仲間と叱咤激励しながらつかんだ栄冠。日本一となった際はうれしさよりも「もう終わり。試合ができない」と悲しい気持ちが上回った。「とにかく野球をするのが楽しかった。当時のメンバーはみんな気持ちが強かった」。選手の心理を大切にする指導の原点だ。

 ○…自らを動き回るマグロのようと話す。保健体育の教員として、中高生の授業をもつなか、部の活動、大会運営などにあたる高校野球連盟の仕事を受けてきた。プライベートも多様。「面白そう」と思えば、スキーや釣り、ゴルフなど、ジャンルを問わずチャレンジ。じっとしている時間を好まない性分だ。「釣りはぼーっとできるところが良いんだけどね」

 ○…ひと区切りを迎えた今でも「まだまだこれから」という思いでいる。高野連の仕事にあたり、教員退職後も「やりたいことばかり。体が動くうちにできれば」と微笑む。一方、小学生の頃から住む町田で母校のために活動させてもらってきたことに対する感謝の気持ちは強い。「いろいろ勉強させてきてもらった。ありがたいことだと考えている」。名将の第二章。これからもマグロのように動き回る。

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