2022年度の東京都優秀技能者(東京マイスター)として都知事賞を受けた、(株)エイト(本社・明神町)の代表取締役社長・門倉裕氏(53)。床仕上げの分野において海外で主流の「コンクリート研磨」に着目し、その技術を高めてきた。同社によると、国内でいち早く技術を修得し、海外の施工ライセンスを日本人で唯一取得。第一人者として高品質を提供し続け、世界中の先端企業と連携しながら若手技術者の育成や協力会社へのアフターフォローにも尽くしている。
1988年に創業し、不動産や建物総合管理事業、米軍・海外事業などを手がける同社。「コンクリート研磨」の分野に門倉氏が着手したのは、15年ほど前という。知識も経験もない中「通常業務を終えてから、夜中に勉強する毎日だった」と回顧。海外から機械を取り寄せて何度も分解し、設計図を書いて独自に機械を作り上げるまでになった。研磨の過程では、コンクリートの性質によってセメントなど素材の比率を決め、環境や地質を調査するなど、やるべきことは幅広い。「『?』がつくことは解決したくて夢中になる。数学と同じで必ず答えがある」
鏡なみの美観高い耐久性
同社の技術はこれまで国内外の商業施設やオフィス、テーマパーク、ホテル、空港に導入。コンクリートの表面を継ぎ目なく鏡面のように磨き上げて、要望に合わせた色とデザインの床に仕上げ、メンテナンス不要の美観や耐久性を長期間保つという。現在は自動車メーカーの工場、スポーツ店、IT企業の販売店舗などで施工しており、各国の大手企業で同社の技術力が発揮されている。「お客様を感動させるためにある自分の知識と技術。まだまだ勉強あるのみ」と胸中を明かす。
門倉社長によると、コンクリートの表面を鏡のような反射度と大理石なみの輝きに仕上げられる企業は、同社のほかタイとカナダに1社ずつで世界に3社という。欧米諸国の仲間と手を組み技術を高めるとともに、中国やドバイ、マレーシアなどアジア各国の第一人者とも提携。現在はアジアでの資格設立に向け、力を注ぐ。
出身地でもある八王子で、門倉社長は今年度「八王子ものづくり産業表彰」の個人表彰にも選出。きょう2月2日、市役所で表彰を受ける予定だ。
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