大和市出身で、2010年にノーベル科学賞を受賞した根岸英一さんが死去した。85歳だった。根岸さんの母校の大和中学校(藤井明校長)では、訃報に当たり、偉大な先輩の思いに触れてもらおうと、根岸さんから贈られた直筆メッセージを印刷し、生徒たちに配布した。
メッセージは「大きな夢を追い続けよう」という激励文と根岸さんのサインが入っている。ノーベル賞受賞後、同校を訪れた根岸さんが、当時の生徒たちに贈ったもので、2015年に開かれた同校の70周年記念で作成されたタオルや昇降口前に建つ石碑にも彫られている。
学校が休業の6月12日に根岸さんの訃報を知った藤井校長は、週明けの14日に生徒たちに偉大な先輩が亡くなったことを伝えるとともに、根岸さんと直接面識のない今の生徒たちに、根岸さんのメッセージに触れてもらえれば、とA4サイズの5色の色紙に全校生徒853人分を印刷。生徒たちが自由に持ち帰れるように用意した。試験期間中ということもあり、生徒たちの関心も高く、中には5色揃えて持ち帰る生徒もいたという。
同校では14日から3日間、期末試験だったため、試験初日の学級活動の時間に藤井校長が全校放送で根岸さんの訃報を伝えた。その後、各クラスの電子黒板を使い訃報を伝えるNHKのニュース映像を流し、黙とうを行った。
当時、教育委員会の職員として根岸さんの講演を聞いた藤井校長は「生徒の『なぜ勉強するのか』という問いに、将来課題にぶつかった時にその課題を解決する『学び方を学ぶ』ため」と勉強の大切さを説いてくれたのが印象的」と語った。
根岸さんは、大和中学校開校時の生徒の1人で入学時は1、2年生しかいなかった。ノーベル賞受賞後の2011年、16年、17年と3度にわたり、同校で講演を行っている。同校には根岸さん縁の品々や写真をおさめたコーナーが設けられている。
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