「四つ葉のクローバー」の代表を務める 市川 ひろ子さん 大谷北在住 64歳
亥年の母ちゃん
○…介護者の拠り所として、同じ境遇の人と触れ合う共感の場や情報共有の場を提供する市内唯一の介護者団体「四つ葉のクローバー」の代表。「何年続くか分からない介護生活。不安を共感し、愚痴をこぼしあえる仲間がいるからこそ、介護をする側も受ける側も気持ち良く居られると思います」と力強く語る。
○…いつもと同じように過ごしていた、ある日突然、その時はやってきた。「財布がないわね」と義母が一言。初期の認知症だった。症状が進むに連れて、次第にエスカレートしていく。「あんたが私の財布を盗んだわね」と鬼のような形相で怒鳴り声をあげて向かってくることも。義父も認知症になっていたため、家では2人の介護を強いられた。そのストレスのあまり、朝起きたら足が全く動かなかったり、血圧が250の数値を出すほど異常な状態だった。「疲れ切ってたわね。診察結果は原因不明。病院の先生からは『よく死ななかったね』と言われたもんです」。介護生活から数年後、義母が「あんたに百円借りてたわよね」と一言。この時から状況は一変。義母が夫も知らない昔話をしてくれるようになった。「ばあちゃんは若返ったみたいで、私がお母さん役をやっていたのよ。それからは漫才みたいでとても楽しい生活だったわ」
○…趣味は手書き染め。普段着るTシャツから、両手を伸ばしても届かないほど大きい襖まで、白いものがあれば何でもキャンパスにしてしまう。「大きければ大きいほど、ウキウキしちゃいます。『これでもか』というほど、豪快に書くのが好きなんです」
○…「ご愁傷様ではなく、ご苦労様」。介護生活が終わった時、メンバーから声が掛かる。「辛いときもあるけれど、最後が笑顔であれば介護者も良い顔になるんですよ」。犬の散歩や近所の会話でも介護の話は浮かんでくる。これからの社会に必要な存在として笑顔の輪を広げていく。
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